【長野“立てこもり”】現場では何が?  専門家「特殊班の“交渉人”が話している」

長野県中野市で女性と警察官の3人が死亡した事件。男は、25日午後11時現在も現場近くの建物に立てこもっています。今後、予想される警察の動きや、近くに住む住人が警戒すべき点について、かつて特殊急襲部隊「SAT」で活躍した専門家に話を聞きました。

■家の周辺で“立てこもり事件” 1番気をつけることは

有働由美子キャスター
「元警視庁警備部・特殊部隊SATで活動された経験がある伊藤鋼一さんとお伝えします。よろしくお願いします」

元警視庁警備部・特殊急襲部隊「SAT」 伊藤鋼一さん
「よろしくお願いします」

有働由美子キャスター
「話していい範囲でお答えいただければと思います。まず、長野県中野市で女性と警察官、合わせて3人が死亡し、男が立てこもっている現場ですが、田畑が広がっていて、その中に住宅が点々としている、工場や寺もあるようなところです。警察はこの周辺住民に避難を呼びかけています。半径300メートルを避難区域に指定していますが、動けずに家にいるみなさんは本当に心配だと思います。現場は今、どういう状況だと思われますか?」

伊藤さん
「1番気をつけなければいけないのは、犯人が逃げ出して違う家にまた立てこもる可能性がありますので、戸締まりをきちんとやっていただきたい。それと、流れ弾が来る可能性がありますので、雨戸ですとか、そういったこと(施錠など)をきちんとやっていただいて家にいる、それか避難場所に行くか、知人のお宅に避難することをやっていただきたいと思います」

有働キャスター
「家にいる人は戸締まりをしっかりする、雨戸がある人は雨戸をしっかり閉める。そして避難できる人ということですが、この夜の時間に動くのが心配という人もいると思います。そういった人はどのように避難を?」

伊藤さん
「警察官が(避難指定区域のさまざまな場所に)必ず立っていますので、そういった警察官に相談していただいて、『これこれこういう場所に親戚の家があるから、ここに行きたいんだ』ということを言っていただければ大丈夫です。そして、家は必ず鍵をかけていただきたいです」

有働キャスター
「1人で動かずに、近くにいる警察官に相談をするということですね?」

伊藤さん
「そうですね、あくまでも警察官に相談していただきたいと思います」

■散弾銃 元SAT「非常に殺傷能力が高い」

有働キャスター
「立てこもっている場所の周辺の状況(建物の配置など)からは、何が見えますでしょうか?」

伊藤さん
「こういった地方部の生活圏のある場所ですから、東京と違って特定しやすいので、犯人もこの生活圏にいる、もしくは(現場の)近くに住んでいて、会社があるのか、もしくはストーカー行為で行ったのか、その辺は今後の捜査を待たないといけませんが、警察としては把握しやすい場所だと思います」

有働キャスター
「そして、現場の付近は住宅の明かりもついているようですし、街灯の明かりのような物も見えています。この地域で今まさに立てこもりが行われていますが、改めてですが、立てこもっている男は上下迷彩服を着ていて、サングラスとマスクを着用しています。警察が駆け付けたところ、刃物を所持していて、散弾銃を発砲したということです。散弾銃を持っているということで、これについてはどんなことが言えるでしょうか?」

伊藤さん
「通常であれば散弾銃の所持というのは、公安委員会に申請して、許可をもらわないといけません」

有働キャスター
「それは、どういう目的で所持をするものですか?」

伊藤さん
「狩猟目的ですとか、スポーツ関係ですよね、クレー射撃とか。そういった目的でしか所持できない。それと、その人が反社会団体に属しているとか、犯罪歴があると許可が出ません」

有働キャスター
「違法な形で所持している…」

伊藤さん
「それともきちんと申請を出して所持しているか、どちらかだと思います」

有働キャスター
「この散弾銃とはどういう銃で、どういう点に気をつければいいでしょうか?」

伊藤さん
「散弾銃というのは、弾が違います。薬莢(やっきょう 銃砲の発射薬を詰める容器)の中に複数の弾が入っていますので、それが撃つことによって広範囲に広がっていく。遠方であればあるほど広角をもって広がっていきますので、非常に危ないと考えていただければと思います。拳銃であれば(1回につき)1発が発射されますが、散弾銃は複数発が出てきますので…」

有働キャスター
「はい」

伊藤さん
「ですから、今回、警察官が殉職されていますが、至近距離で撃たれた可能性はあります。非常に殺傷能力が高い銃だと」

有働キャスター
「その発砲音ですが、午後7時51分頃、そして8時13分頃に(聞こえた)。音から何が言えるでしょうか?」

伊藤さん
「銃の専門家としてやってきましたけれども、ちょっと遠距離で、ましてや録音ですのでなんとも言えませんが、私が判断するには、ちょっと乾いてくぐもった感じがしますので、この発砲音はおそらく散弾銃だと思います。今回、駆けつけた警察官2人が犯人から撃たれていますので、犯人がひょっとしたら、まだ発表はないですが、拳銃を(警察官から)奪っている可能性もありますので、その辺も気をつけていただきたいと思います」

■“交渉人”が1対1で対峙 捜査1課の特殊班

有働キャスター
「防弾チョッキを着ている警察の姿も確認できましたが、どういった部隊が対応にあたっているんでしょうか?」

伊藤さん
「(質問の段階で画面に映った人は)普通の刑事だと思いますね。それと広域に捜査をする機動捜査隊。それとこういった立てこもりですとか、誘拐事件を担当する捜査1課の特殊班という専門の刑事もいますので、その中には、犯人と対峙(たいじ)しながら説得をする“交渉人”という刑事もいます。今は捜査1課の“交渉人”が入って犯人にいろいろ聞いている段階だと思います」

有働キャスター
「廣瀬さんは、何か聞きたいことはありますか?」

廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「特殊班という話がありましたけれども、多くの人が、今どのように交渉しているか、どのように把握しているかというのは聞きたいと思います」

伊藤さん
「最初に入ったときには、あくまで“人間対人間”として対応しますので、“犯人と警察官”ではなく、“人間対人間”として、名字を名乗り、『自分とはこういう人間なんだよ』と警察官もきちんと自己紹介をしながら、人間関係を作りながらやっていきます。今回、まだ救出されていない人がいるので、その救出を第1条件として交渉に当たっていると思います」

有働キャスター
「25日午後11時までの段階で女性1人、警察官2人の死亡が確認されていますが、男性1人現場近くで倒れているという情報があります。救急搬送を第一に考えての交渉が行われていると…」

伊藤さん
「それはもう、はい、第1番です」

■今後の動きは? 専門家「犯人も傷を付けないで…」

有働キャスター
「この後ですが、言える範囲で結構ですが、警察はどのような対応をしていくんでしょうか?」

伊藤さん
「警察はですね、人質になっている人、それと犯人も傷を付けないで、説得に応じて自分から出頭してもらって逮捕する。(犯人が)やったことを裁判にゆだねる、そして刑に服するということを犯人に自覚していただきたいと思います」

有働由美子キャスター
「改めて、避難区域が現場の半径300メートルにしかれていますが、このあたりに住んでいる人は、今夜寝るときも心配だと思います」

伊藤さん
「そうですね」

有働キャスター
「避難したい人は、現場近くにいる警察官に必ず相談する。そして、家にいる人は戸締まり、雨戸がある人は窓を閉める…電気を消すなどの注意はありますか?」

伊藤さん
「1番気をつけていただきたいのは、鍵をかけていただきたい、無施錠のところがないようにしていただきたい」
(2023年5月25日放送「news zero」より)

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