20日、市川猿之助さんの所属事務所が、コメントを発表しました。
(市川猿之助さんの所属事務所のコメント)
「市川猿之助に関して、お客様をはじめ関係者の皆さまに多大なるご迷惑、ご心配をおかけいたしますこと深くお詫び申し上げます。市川猿之助の現状につきまして、警察ならびに病院にて対応をいただいているものと認識しております」
捜査関係者への取材で市川猿之助さんは「家族会議をした」「両親が睡眠薬を飲んだ」といった主旨の説明をしていたことが新たにわかりました。
死亡した市川段四郎さんと喜熨斗延子さんは司法解剖の結果、向精神薬(こうせいしんやく)中毒で亡くなったとみられ、市川猿之助さんも自殺を図ったとみられています。
「家族会議」がいつおこなわれたかは分かっていませんが3人が倒れて発見された当日、自宅から言い争うような声を聞いた人がいました。
(近所の人)
「なんか皆でヤーヤーヤーって。しばらくしたらその声がなくなっちゃったから」
「キャーキャー やたら賑やかだなと思っていた」
「騒ぎだった」
猿之助さんの「家族会議をした」「両親が睡眠薬を飲んだ」といった趣旨の説明は、猿之助さんの意識が朦朧としている状態での説明だったため、警視庁は慎重に裏付けを進めています。
(ディレクター)
「きょうから猿之助さんの代役を市川團子さんが務め、昼の公演が再開されました」
猿之助さんの緊急搬送で、昨日まで中止となっていた明治座での昼の公演。
きょうから、代役として猿之助さんのいとこで歌舞伎俳優の市川中車さんの長男・市川團子さんが演じました。
(公演を見に来たファン)
「猿之助さんのお芝居を見に来たんですけれど、團子さんが代わりになって。若さ溢れる一生懸命なさっててとってもいい舞台でした」
(公演を見に来たファン)
「やはり皆さん、温かい目で見ていらっしゃいましたね」
(公演を見に来たファン)
「終わってからも15分くらい拍手が鳴りやまなかった」
突然の事態が起きたのは18日、猿之助さんの自宅です。
迎えのために自宅を訪れたマネージャーからの「本人(猿之助さん)を迎えに行ったら意識が朦朧としている」という通報がきっかけでした。
救急隊が駆け付けたところ猿之助さんは、本人の部屋で倒れた状態で発見されました。
さらに、2階のリビングでは同居する父・段四郎さんと、母・延子さんが床に頭を並べるように仰向けで倒れていて、首から下には掛布団1枚が掛けられていたといいます。
段四郎さんは、パジャマのような服だったこともわかっています。
(近所の人)
「救急車が4台くらいと消防車が4台くらいパトカーも1~2台来て」
「年配の方、お父さんかな(酸素)マスクして運ばれてきて。そのすぐあとに、猿之助さんが(酸素)マスクして恐らく意識なくて。運ばれて、搬送されていきましたよね」
母・延子さんは、その場で死亡が確認され捜査関係者によると、その時にすでに死後硬直が始まっていて、死亡してから2~3時間が経過していた可能性があるということです。
父・段四郎さんは病院に搬送されたものの、その後、死亡が確認されました。
一方、猿之助さんはおととい、意識もうろうとした状態で病院に搬送されましたがきのう退院したといいます。
猿之助さんの部屋からは、遺書のようなものが見つかっていて、さらにそれとは別の遺書のようなものも見つかっています。
(市川段四郎さん・2011年)
「兄・猿之助(現・猿翁)のたっての願いもあり、4人の一連の襲名披露もさせていただくこととなりました」
亡くなった段四郎さんは歌舞伎の名門・澤瀉屋の「三代目段四郎」の次男として生まれました。
兄は先代猿之助の二代目猿翁さん。
市川中車さんこと香川照之さんは甥にあたります。
(長唄 唄方 杵屋勝吉治さん)
「猿翁さんがあまりにもパワフルな人なものですから」
「陰の支え役みたいな雰囲気なのが段四郎さんでしたね」
共演したことがある長唄の杵屋勝吉治さんは段四郎さんのある行動に驚いたといいます。
(長唄 唄方 杵屋勝吉治さん)
「唯一段四郎さんだけは、(千秋楽後)向こうからお見えになって『ありがとうございました』っていう挨拶をして帰られたんですね」
「(猿翁さんに次ぐ)ナンバー2の役者さんが音楽の地方(じかた)の方に挨拶に来るという事は、他の方は見たことがなかった」
行きつけの料理店でも…
(かぼちゃのたね 山田和喜店長)
「芝居を見るとすごいけど、楽屋に行ったら普通のおじさんに戻ってる」
「大看板なんだけど気安くしゃべってくれる」
印象に残っているのは、息子・猿之助さんに関するこんな行動だったといいます。
(かぼちゃのたね 山田和喜店長)
「ご子息の、当時亀治郎さんが「亀治郎」の会を京都の春秋座というところで開催されまして、段四郎さんは奥さまとお2人で来られて『今回こんな会するんだけどよろしくお願いします』と」
「その当時息子さんが知っていたかは知らなかったかはわからないが、陰ではそうやってご挨拶に行ってるのかなと」
猿之助さんの襲名会見でも、息子の将来を思いやる言葉がありました。
(市川段四郎さん・2011年)
「将来的に考えると『市川猿之助』を継いでいくことが非常に重要なことになってきますので、寂しいとは思いましたが、一つの大人になっていく過程だと思いまして」
この会見で猿之助さんは
(市川猿之助さん・2011年)
「一番念頭にあるのはやはり襲名を通して個人ではなく歌舞伎というものを末永く守りたいと、そのための襲名だということは僕の中では変わりません」
1975年に生まれた猿之助さんは、4歳で初お目見得、7歳で父の名を継いで「二代目・亀治郎」を名乗ります。
ドラマやバラエティで活躍する一方で歌舞伎の未来を考えてきました。
伯父である先代猿之助の「スーパー歌舞伎」を超えるスーパー歌舞伎IIにも取り組んでいます。
(市川猿之助さん・2015年)
「古くからいるお客様も大切にしつつ、新たなお客様さまも開発するって、これはもう企業にも言えることなんですけど」
父の段四郎さんや伯父の猿翁さんが第一線を退く中、澤瀉屋を支えていました。
その一方で、18日発売の週刊誌にパワハラ・セクハラに関する記事が掲載されました。
猿之助さんは12日に近所の鰻店を訪れたといいます。
(近所の鰻店)
「いつもと変わらない様子でした。1カ月に1回来る常連のお客さんで、(猿之助さんは)いつも自転車で来て3人前をテイクアウトしていました」
今後の捜査のポイントは3つあります。
1つ目は現場から押収されたスマートフォンに両親と猿之助さんのやり取りが残されているのか、そしてそれが今回の件と関連があるのか。
2つ目は両親が死亡前に摂取したとみられる向精神薬が誰のもので今回の事態にどうつながっているのか。
3つ目は猿之助さん自身も自殺を図ったとみられていて「家族で会議をした」というその内容が焦点になっています。
厚生労働省は、悩みを抱えている人には、1人で悩みなどを抱えずに「こころの健康相談統一ダイヤル」や「いのちの電話」などの相談窓口を利用するよう、呼び掛けています。
▼「こころの健康相談統一ダイヤル」0570-064-556
▼「#いのちSOS」0120-061-338
▼「よりそいホットライン」0120-279-338
▼「いのちの電話」0570-783-556
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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