5月6日から新型コロナの扱いが感染症法上の位置づけで「2類相当」から「5類」になります。「5類」になることで何が変わるのでしょうか? これまで無料だった治療費や入院費が自己負担になることでどれぐらいかかる?診療報酬も変わりコロナ患者を受け入れるメリットが減る病院側の懸念は?あなたが今後もしコロナにかかったら・・・「手作り解説」でお伝えします。
■検査はどう変わる?
まず、疑わしい症状があって病院で検査を受ける場合、これまでは公費負担で無料でしたが、5月8日からは自己負担となります。例えば、取材させて頂いたクリニックでは、抗原検査が1500円、PCR検査が2500円かかるということです。また、都道府県が行っていた無料の検査も終了します。
■医療費はどう変わる?
次に、病院で支払う医療費も、これまではコロナと診断されれば治療費や薬代が無料でしたが、5月8日からは自己負担となります。厚労省の試算によると、例えば、検査料と診察料、解熱剤の処方などで、4000円程度かかる見通しです。さらに、ラゲブリオなど高額のコロナ治療薬については、9月まで全額公費負担ですが、10月から公費負担がなくなると3万2000円程度の自己負担が生じるとみられます。また、入院する場合も、例えば75歳以上の人がコロナによる肺炎で10日間入院すると、5万円ほどの自己負担が必要だと試算されています。
■医療体制はどう変わる?
コロナ患者を受け入れる病院の体制はどうなるのか。政府は、季節性インフルエンザと同様の対応を目指し、外来の医療機関を今の約4万4000所から6万4000か所に、入院治療を行う病院もおよそ3000か所から8400か所を目指すとしています。しかし、病院にとっては、5類扱いとなるのに伴い、診療報酬が減り、病床確保の補助金も半額になることから、さきほどの伊藤院長は「受け入れを表明する病院が増えたとしても、実際にどれだけの患者を受け入れるかは未知数」だと話しています。
■自宅待機期間はどうなる?
そして、コロナと診断されて自宅療養する場合、これまでは厚労省が7日間の外出自粛を求めていましたが、5月8日からは「個人の判断」となります。そのうえで厚労省は「5日間は外出を控えることを推奨する」という「目安」を示しています。また、学校などの出席停止期間については、文科省が、これまでは「治るまで」としてきましたが、今後は「発症後5日経過し、症状が軽快して1日経過するまで」となります。
■感染状況の把握はどうなる?
また、感染者の全数把握が終了し、毎日の感染者の発表もなくなります。これからは指定された全国およそ5000の医療機関が感染者数を週に1回報告し、毎週金曜日に、その人数が発表されます。5類になることで個人の判断が多くなり、手厚い保護も少なくなりますが、これらの対応について国は「オミクロン株とは大きく違う性質の変異ウイルスが出現し、状況が変われば直ちに見直す」としています。
(「サンデーモーニング」2023年5月7日放送より)
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