ロシア側が示唆していた報復が、早くも始まったのだろうか。
ロシア大統領府周辺でのドローン攻撃から一夜が明けたばかりの、ウクライナ南部ヘルソン州。
ロシア軍による大規模な砲撃があり、23人が死亡、46人が負傷したとされている。
この砲撃の8時間余り前にあたるモスクワ時間3日未明、大統領府があるクレムリンを無人攻撃機らしきものが襲撃した。
その様子をとらえた映像を見ると、飛来してきた白い物体は、クレムリンの丸い宮殿の屋根付近で突如、炎に包まれた。
撃墜された物体の破片は、一部がクレムリンの敷地内に落下していくのがわかる。
この襲撃後、ロシア大統領府は「ウクライナによるドローン2機の攻撃があった」と発表。
そのうえで、軍および特殊部隊がドローンの機体を無力化したとし、プーチン大統領を狙った計画的なテロだと主張している。
このロシア側の主張を、ウクライナのゼレンスキー大統領はすぐさま否定した。
ロシア語で「城塞(じょうさい)」を意味するクレムリン。
ドローンが飛来したその目の前には、赤の広場が広がる。
5日後には、戦勝記念日のパレードが行われるモスクワ中心部が標的となった今回の事態。
仮にロシア側が主張するウクライナ側のテロだとすれば、国境を越え、少なくとも400km以上ドローンを飛行させる必要がある。
ロシア政治にくわしい専門家は、ロシア側の防衛態勢を考えれば、それは現実的ではないとの見方を示す。
ロシア政治にくわしい 筑波大学 名誉教授・中村逸郎さん「クレムリンの壁、赤の広場周りは、少なく見積もっても1,000個の監視カメラが設置されていると聞いています。むしろ今回のドローンっていうのは至近距離から撃たれたものと考えられる」
今回の事態について、アメリカの研究機関は3日、「ドローン攻撃はロシアによる自作自演」との見方を示した。
その理由の1つとして、ウクライナからの攻撃を受けたのであれば、大統領府の公式発表がこれほど整然としたものにならないと指摘。
そのうえで、自作自演を行う理由については、ロシア国内に対し、戦争を身近に感じてもらい、より広い社会的動員を行うためだとしている。
一方で、中国国営メディアは、ロシアの主張と同じ「ウクライナによるものでは」との見方を示した。
今回のドローン攻撃を機に、ウクライナ侵攻の局面がどう変わるのかが1つの焦点となりそうだ。
FNNプライムオンライン
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