谷国家公安委員長が、岸田首相襲撃事件の当日、報告を受けたあとも「うな丼をしっかり食べた」と発言し、波紋を広げている。
FNNは26日、谷国家公安委員長を直撃すると、「食事はしなきゃいけない」と釈明した。
四万十の大自然が育んだ、うまみたっぷりの絶品うなぎ。
このうなぎをめぐる岸田内閣の閣僚の発言が、大きな波紋を広げている。
26日、国会で「うな丼大臣」と名指しされたのは、警察を管理する組織のトップ、谷公一国家公安委員長。
なぜ、“うな丼大臣”と呼ばれたのか。
きっかけは、25日に行われた自民党議員のパーティーでの発言だった。
4月15日に行った高知県の視察を振り返り…。
谷国家公安委員長「四万十で、おいしいうな丼を食べられるということで、楽しみにしていたんですけど、これから食べようというときに警察庁から電話があって、和歌山で総理に物が投げられたと。そういうことがありまして、ありましたけども、うな丼はしっかり食べさせていただきました」
この日、和歌山県で、岸田首相に向けて爆発物が投げられる事件が発生。
谷国家公安委員長は、事件の報告を受けつつも、そのあとに「うな丼をしっかり食べた」と発言したのだ。
事件が起きたこの日、公務で高知県入りした谷国家公安委員長は、防災担当相として、午前9時半ごろからおよそ1時間、高知市内の港などを視察。
午後1時過ぎからは、別の町で避難設備の視察や、知事らと意見交換を行う予定だった。
この公務の合間に昼食で立ち寄ったのが、四万十町にあるうなぎ店。
本人のブログには、その時の状況がつづられていた。
谷国家公安委員長の公式ブログより「昼食会場で衝撃の連絡が入る。警察庁の秘書官からの電話」
谷国家公安委員長は、食事前に事件の一報を聞いたとしているが、うな丼をきっちり完食したという。
谷国家公安委員長が来店した店で扱っていたのは、地元で養殖された四万十うなぎ。
脂ののった、上品な風味が特徴だという。
地元の人「(四万十うなぎ)肉厚で皮がパリパリ。おいしいです」
谷国家公安委員長の訪問を見ていた人もいた。
地元の人「(当日)バッジをつけた黒服の方が、物々しい感じで立っていた。10人以上はいたのでは」
襲撃について報告を受けたあとに、地元名物のうなぎを食べていた谷国家公安委員長。
FNNは26日、「うな丼しっかり食べた」発言について、谷国家公安委員長を直撃。
すると、意外な答えが返ってきた。
谷国家公安委員長「(指示に影響は?)食事は、いずれにしてもしなきゃいけないと思いますよ。しかも四万十町の名物でもあるし。(発言について謝罪は?)謝罪というか、言葉が舌足らずということはしっかり受け止めなければならないけども、しっかり食べたということを謝罪というのもおかしいし」
釈明しつつも、発言自体に問題はないとの認識を示した谷国家公安委員長。
さらに、こんな発言も…。
谷国家公安委員長「(味はどうだった?)地元の皆さんが自慢をする、美しい清流のアレだから、立派な物でしたよ」
現職の総理大臣が襲撃される事件が発生する中、大臣の資質が問われかねないとして、野党は批判を強めている。
立憲民主党・安住国対委員長「世界からこのニュース発信されるとね。こういう人が(G7サミットの)警備の最高責任者なのかとなるのが。マイナスなんじゃないですか。うなぎ大臣って言われちゃうよこれ」
26日の参議院本会議で、野党議員から谷国家公安委員長を更迭するよう求められた岸田首相。
立憲民主党・宮口参院議員「うな丼大臣は、即刻更迭してください」
岸田首相「(谷氏は当日)必要な指示・情報収集を行いながら業務を継続した。引き続き職務にあたってもらいたいと考えております」
更迭する考えはないことを強調したが、与党内からは「緊張感を持って発言してほしい」と苦言も出ている。
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