東京・渋谷区に新しく公衆トイレが設置されましたが、「女性専用のトイレ」がなく「共用」となっていて議論となっています。中には、盗撮などの性犯罪が起こる可能性を不安視する声も…。なぜ、“女性専用”がないのでしょうか。
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先月22日、渋谷区幡ヶ谷に公衆トイレが設置されました。議論となっているのはトイレの構造です。男性用トイレには小便器のみが設置されていて、誰でも使える共用トイレの個室が2つあります。女性専用のトイレはありません。
このトイレについて先週、渋谷区議会の議員はSNSに「誰でもトイレが2つと男性用トイレ。私はやはり女性用トイレは残すべきだと思います」と投稿し、さまざまな意見を呼んでいます。
20代
「男性用トイレがあって、女性用がないのはなんでだろう」
70代
「そりゃ困る、女性としては。やっぱり、女性は女性用がほしい」
トイレは人通りの多い住宅街の一角にあり、入り口は外から見えるようになっています。しかし、女性専用のトイレがないことで、盗撮などの性犯罪が起こる可能性を不安視する声も上がっているのです。
30代
「昼間はいいかもしれないけど、夜1人で使うのは怖いかもしれない」
通りかかった女性に共用トイレを見てもらうと、女性用トイレには当たり前にある、サニタリーボックスが見当たりませんでした。
30代
「それ(ないこと)を書いてくれたら使いやすい。(トイレに)入って使ってからないと困っちゃうと思う」
また、男性からは次のような意見も出ました。
70代
「気を使うというか、汚しちゃいけないって」
60代
「どちらかというと入りにくい感じ。入る時に女性が出てきたり、自分が出る時に待っている方が女性だと、『おっ!』という感じになる」
そして、今回取材して多く聞かれたのは、女性用、共用、男性用の3種類あったほうがいいという意見です。
70代
「共用もあっていいと思うんですよ、でも、女性用がなくなるのはやっぱり反対です」
40代
「(共用トイレ)だけっていうのは困るかなと思います」
また、2人の子どもがいる母親からは――
2児の母(30代)
「(共用トイレは)広いっていうのが大きいと思います。公園で遊んでいる時には、助かると思います」
――1人の時には?
2児の母(30代)
「1人の時は女性用ですね」
使い分けが大事だという声も上がりました。
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SNSで反響が広がったことから、渋谷区はホームページで見解を発表しました。ホームページには、「性別にかかわらず誰もが快適にご利用いただける環境が整ったものと考えております」「渋谷区では今後のトイレ整備について女性トイレをなくす方向性など全くございません」と記載されていました。
それでは、なぜ女性専用がないのか。渋谷区の土木部公園課によると「今回のトイレは、共用トイレをメインとして設置しています。共用トイレを回転率よく使ってもらえるよう、男性は別途、小便器を設置しました」ということです。
そもそもこのトイレは男性用、女性用はなく、共用トイレとして構想していて、共用トイレが混まずに効率よく使えるよう、男性用小便器を設置したということです。「決して、女性用トイレをなくしたわけではない」との説明でした。
渋谷区では暗い、汚い、くさい、怖いなどのイメージから、入りづらい状況がある公衆トイレを、性別や年齢などに関係なく、誰でも快適に使えることをめざして、建築家らがリフォーム。区内17か所に設置を進めています。
今回の公衆トイレもこのプロジェクトの一環で整備されたものだといいます。渋谷区は「引き続き利用者が快適に使えるよう、トイレの適正な管理に努める」としています。
(2023年3月13日放送「news every.」より)
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