【中国】全土に広がる“マンション問題”  国民の不満爆発で習近平政権は…

中国・北京で13日、習近平国家主席を痛烈に批判する横断幕が掲げられ、当局は警戒を強めています。こうした中、政権批判の新たな火種となりかねないのが、中国全土に広がっているマンション問題です。現地を取材しました。

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北京市内で13日、煙が上がる歩道橋に掲げられていたのは、「独裁・国賊 習近平を辞めさせろ」、「PCR検査はいらない 飯を食わせろ」と書かれた横断幕です。

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9月、中国・河南省の鄭州市では、赤い旗を手に声を上げる人々がいました。

「中国共産党を熱愛します! 市長を支持します」

そこに警察官が現れました。

「何をする! 何をするんだ!」

警察官は横断幕を強制的に取り外し、無言で去って行きました。

集まっていたのは、新築マンションの購入者たちでした。買ったマンションが、建設途中で工事を中断しているといいます。表向きは党や政府への忠誠を叫びながら、工事の再開を求め、抗議を行っていたのです。横断幕には「見せかけの工事再開はお断り」という文言も書かれていました。

中国では、一般的にマンションの完成前からローンの支払いが始まるといいます。ところが、このマンションでは開発業者が資金難を理由に2021年秋に工事を中断したといいます。

抗議があった2日後、私たちが建設現場を訪ねると、壁には「早く工事を再開しろ。早く家に入りたい」と書いてありました。

マンションの外壁こそ出来上がっていたものの、内装や中庭などは手つかずでした。開発業者は「工事再開を約束した」といいますが、現場には作業員のような姿は見えますが、工事をしている様子はありません。

すると、まだ午前中にもかかわらず、男性たちは撤収し始めました。作業員は「はしごを固定したり、鉄筋のさびをとったりしたさ」と話し、「みんなでランチに行く」と言い残すと、そのまま戻ってきませんでした。

マンション購入者によると、「最近は工事再開を装った行為が横行している」といいます。マンション購入者がSNSに投稿した写真に映っていたのは、現場で横になっている人の姿です。コメントには「これが“工事再開”らしい。みんな寝ながら仕事している」。SNSには最近、“作業員の格好をするだけのアルバイト情報”が出回っているといいます。

今、中国では、建設途中で工事が中断されたマンションが急増しています。市内の別の場所では、薄いトタンの小屋が建設現場の前に並んでいました。実は、マンションの入居予定者が生活しています。開発業者に土地を明け渡し、その見返りに新しい部屋をもらう契約でしたが、肝心の建設工事が中断しているのです。

マンションの入居予定者
「冬は寒くて、夏は暑いよ。布団を1枚配られただけだ」

――苦情は伝えました?

マンションの入居予定者
「誰に言えというんだ。移転の補助金すら、1年以上払われていないのに」

中国メディアによると、マンション購入者で入居できていない人は、この鄭州だけでも60万人以上います。ローン返済拒否の動きは、中国全土に広がっています。

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16日に始まる中国共産党大会を前に、こうした国民の不満が政権批判に結びつくことを警戒する習近平政権は、不動産の引き渡しを急ぐよう指示するなど、火消しに躍起となっています。
(2022年10月14日放送「news every. 」より)

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