遺伝子を組み換えた、いわゆる“光るメダカ”を無許可で飼育したなどとして、業者の男など9人が摘発された事件。事件の発端は、東工大の大学院生が研究室からメダカの卵を持ち出したことでした。
鮮やかなピンク色のメダカ。サンゴ由来の遺伝子をメダカに組み込んだ、いわゆる“光るメダカ”です。
この“光るメダカ”をめぐり、埼玉県のメダカ販売業者・増田富男容疑者(67)と愛好家の男4人が逮捕されました。
2021年ごろ、“光るメダカ”を違法だと知りながら無許可で飼育するなどした、「カルタヘナ法」違反の疑いがもたれています。
「カルタヘナ法」は遺伝子組み換え生物の扱いを規制するもので、この容疑での逮捕は全国初です。
記者
「増田容疑者はこちらで光るメダカを飼育していたとみられています」
増田容疑者の知人
「噂で『遺伝子組み換えしたみたいだよ』ということは聞いていましたけど。すごく赤で深みのある」
取り調べに対し、増田容疑者は…
増田容疑者
「見たことのない綺麗なメダカだった。これは売れると思った」
容疑者の中には“ロイヤルピングー”と名付け、2匹をおよそ10万円で販売した者もいたといいます。
元々は研究目的でつくられた“光るメダカ”。事件の発端は、2009年の東京工業大学の研究室でした。大学院生の男性が“光るメダカ”の卵およそ30個を愛好家だった同級生の母親に渡すため、研究室から持ち出したのです。
警視庁は男性やこの母親ら4人も書類送検しました。
その後、譲渡や販売が繰り返されて増田容疑者らの手に渡ったとみられ、警視庁はおよそ1400匹のメダカを押収しています。
遺伝子組み換え生物の専門家は、「日本特有のメダカを絶滅させる恐れがある」と警鐘を鳴らします。
東京大学 伊藤元己名誉教授
「(日本特有のメダカを)ひどい場合には絶滅させてしまうような可能性まであるわけですよね。魚や水質に大きな影響を与えて、自然・生態系を壊してしまう可能性がある」
警視庁は「“光るメダカ”を飼育しているかもしれないと思った場合は、放流などせずに各地方の環境事務所に連絡してほしい」と呼びかけています。
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