コロナ禍の1年乗り越え 市船吹奏学部3年生ラスト演奏会/休校の逆境にも負けず・・・/テレワーク合奏動画/“やり続けること”の大切さ/2021年3月30日・31日チバテレ「newsチバ」にて放送

ステージ上で迫力ある音色を奏でる高校生たち。
市立船橋高校吹奏楽部です。

3月、3年生最後の舞台となる定期演奏会が開催されました。
3年生57人、ここに立つまで様々なことが…。

コロナに翻弄されながらも前を向き続けた高校生の1年を追いました。

去年4月、新型コロナウイルスの感染拡大により、緊急事態宣言が発令。
学校は休校になり、街から人の動きが消えました。
そんな中…。

吹奏楽部が取り組んだのは、テレワークでの合奏動画。
部長の勝部友理さんをはじめ各部員が自宅などでそれぞれの楽器を演奏し、編集は3年生の北奥優羽さんが担当しました。
そして6月…。

学校に、生徒たちの姿が戻ってきました。
教室での練習も再開され、トロンボーンパートの勝部さんと北奥さんも新入生に指導をしていました。

3年生は例年12月の定期演奏会で引退します。
このまま最後の舞台まで行くかと思われましたが…。

市立船橋高校 都丸輝信校長
「会話をする場合は基本的にマスクをしようと話をしているが、なかなかそれが徹底されていなかったということなので、結果的にこういうことがあったということは(対策が)十分ではなかった」

12月、運動部でクラスターが発生。

学校は臨時休校となり、吹奏楽部も活動を休止し、演奏会は中止となりました。
その後、1月や2月に演奏会を予定するも再び発令された緊急事態宣言でまたも中止に。
パートリーダーを務める北奥さんは当時の心境を次のように振り返ります。

3年生 北奥優羽さん
「何度も本番が延びていく中で、心が折れてしまったというか、正直気持ちが切れてしまったときもあった」

その後、演奏会は3月に開催できることに。
演奏会3日前、学校の卒業式を終えたあとも本番に向け練習に励む生徒らの姿がありました。

顧問の高橋健一先生も
特別な1年を過ごした3年生を
なんとか送り出してあげたいと話します。

顧問 高橋健一先生
「3年生が何のために市船に来たのか、何のために吹奏楽部に来たのか、その答えがあの子たちの中で出れば」

迎えた本番当日、会場の観客席には生徒の家族のみが入りました。
5度の延期を乗り越え、ついに演奏会の幕が上がります。

冒頭の楽曲はプロの作曲家が市船のためにアレンジしたものです。
本来なら様々なコンテストで披露するはずでしたがコロナ禍で叶わず…。

勝部さん、北奥さんも演奏に力が入ります。
その様子に冒頭から高橋先生は…。

顧問 高橋健一先生
「いまも感極まってしまった」

そして迫力の吹奏楽。

人間の喜びや怒りなど様々な感情をあらわした楽曲が力強いメロディで奏でられます。そして集大成は…。

吹奏楽に演劇の要素を取り入れた市船ならではの演目「吹劇」です。
高橋先生が描いたテーマは「寛容」。
有名な楽曲をモチーフに、「多様性との共存」や「人と人とのつながり」を生徒たちは体全体を使いながら表現していました。

最後は、通常オーケストラで演奏されるものを吹奏楽用にアレンジした楽曲。
部員144人の魂が込められた合奏が響き渡ります。

演奏を終えると生徒たちの目からは涙が…。
勝部さん、北奥さんもこらえていたものがあふれます。

その後、高橋先生から3年生ひとりひとりの名前がステージ前方で呼ばれ、生徒たちは涙を浮かべながらもすがすがしい表情をしていました。

高校生活最後の1年を激動のコロナ禍で過ごした3年生たち。
高橋先生は次のようにエールを送りました。

顧問 高橋健一先生
「3年生は本当に大変だったと思います。でも一言だけはっきり言わせてほしい。やっぱり途中でやめるのは良くない。やり続けるってすごく大事だと学んでほしい。みんなはやり続けたからこういうものを得られたのであって、やめていたら得られなかったわけで、いろんな思いがあるだろうけど、これからの人生もやり続けることがすごく大事だと思う」

市船吹奏楽部は活動休止期間もありながら部員誰一人かけずに、この1年を駆け抜けました。
特にテレワーク動画など常に前向きにやれることを継続した3年生。
生徒たちの表情には、充実感や達成感があふれていました。

3年生 北奥優羽さん
「『もうこれが最後なんだ』と思うと寂しかったけど、精一杯みんなでやれてすごく良かった」
「この吹奏楽部は私の高校生活3年間の居場所、一番安心できる場所だった」

部長 勝部友理さん
「引退という実感が全然湧いていなかったけど、きょう定期演奏会をやってみんなで合唱をして、なんかすごく『引退したんだな』って。あきらめずやってきてよかった」
「本当に1年間いろんなことがあったけど、たくさんの人に支えてもらった。その感謝の気持ちを忘れずに頑張っていきたい」

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