帝都物語

1985年(昭和60年)から発表された荒俣宏の小説デビュー作である。1987年(昭和62年)の第8回日本SF大賞を受賞し、1988年(昭和63年)には映画化された他、様々なメディアミックスが行われ、荒俣の出世作となった。1983年創刊の角川書店の『小説王』に創刊号から通巻13号の1984年13号まで13回が連載され、その後は新書判レーベル「カドカワノベルズ」の書き下ろしで発表された[。ベストセラーとなり、荒俣は印税を約1億5千万円得たが、たちまち書籍の収集費に消えてしまった。

平将門の怨霊により帝都破壊を目論む魔人・加藤保憲とその野望を阻止すべく立ち向う人々との攻防を描いた作品。明治末期から昭和73年まで約100年に亘る壮大な物語であり、史実や実在の人物が物語に絡んでいるのが特徴。著者の荒俣宏がこれまでに蓄積した博物学や神秘学の知識を総動員しており、風水を本格的に扱ったおそらくは日本最初の小説と目される。陰陽道、風水、奇門遁甲などの用語を定着させた作品でもある。

伝奇作品、特に大正時代〜昭和中期をモチーフにした伝奇への『帝都物語』の影響は大きく、特に映画版で確立した加藤保憲(魔人加藤)の容姿を含めたインパクトのある造形は後世の創作物にも影響を及ぼしている。
魔人加藤の影響を強く受けたパロディ、オマージュキャラクターが登場している後世の作品には『勇者警察ジェイデッカー』(キャトー・ノリヤス)、『力王』(鷲崎)、『ストリートファイターII』(ベガ)、ブラックロッド、『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』(アビゲイル)などが見受けられる。詳細は加藤保憲の独立ページへ。

外伝として江戸時代を舞台にした『帝都幻談』、幕末期を舞台とした『新帝都物語』『龍神村木偶茶屋』が執筆された。また設定が本シリーズと若干異なるが、『妖怪大戦争』にも加藤保憲が登場する。

出演者
渋沢栄一 – 勝新太郎
加藤保憲 – 嶋田久作(第3回高崎映画祭新人賞)
辰宮洋一郎 – 石田純一
辰宮恵子 – 原田美枝子
辰宮由佳理 – 姿晴香
辰宮雪子 – 山本清美
寺田寅彦 – 寺泉憲
鳴滝順一 – 佐野史郎
西村あずさ – 安永亜衣
今和次郎 – いとうせいこう
黒田茂丸 – 桂三枝
泉鏡花 – 坂東玉三郎(松竹/特別出演)
早川徳次 – 宍戸錠
大河内正敏 – 寺田農
森鷗外 – 中村嘉葎雄
織田完之 – 大滝秀治
工藤 – 峰岸徹
田上亮吉 – 井川比佐志
陰陽師1 – 日野利彦
陰陽師2 – 長江英和
江戸っ子1 – ルイス
江戸っ子2 – 三遊亭好楽
江戸っ子3 – 三遊亭円橘
口上1 – 今井重美
口上2 – 高橋令子
口上3 – 岸芳生
紅巾の女 – 中川比佐子
紅巾の男 – 修建
ビヤホールの客 – 荒俣宏(クレジットなし)
声:飯塚昭三・山田栄子・千葉繁・立木文彦・龍田直樹・西村智博・大塚芳忠・古田信幸・中村大樹・松本保典
西村真琴 – 西村晃
目方新 – 島田正吾
幸田露伴 – 高橋幸治
平井保昌 – 平幹二朗

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