夢野久作作「あやかしの鼓」の朗読です。2時間28分になりました。
ドグラマグラの作者夢野久作の処女作です。
中学校の図書室勤務の時代、今からそう2,3年も以前になるでしょうか、放課後の人気のない図書室に見るからに優等生っぽい男子生徒が一人やってきました。
「夢野久作のドグラマグラはありませんか?」
彼の意図するところがわかったので、僕は書架から日本文学全集の一冊を抜き出し、(相当に古くなった割には読まれることが少なく、頁を開くと新刊かと思うほど真っ白でしたが)黙って貸し出し手続きを済ませました。
「だけど君」僕はこれもサービスだと夢野久作作品の登場人物ののようにニタニタという笑いを浮かべて言いました。
「本当にこれを読むつもりかい?後悔するかもしれないよ」
ご存じの方も多いでしょうが、ここ5年ほど前から朝霧カフカさんの「文豪ストレイドックス」というメディアミックス作品が中学生に流行しています。大半はアニメで好きになるのですが、その一部の生徒は小説版で盛り上がっていました。僕は不勉強で読んでいないのですが、その作品中に夢野久作が登場し、どうもドグラマグラという技を使うようです。そのため、「ドグラマグラ」は中学生に「これ以上ない程におどろおどろしい小説」として認知されています。
そういえば、僕が読んだのも昭和51年、高校生の頃でしたが、やはり怖い物見たさが動機だったと思います。「あやかしの鼓」も同時期に読んでいるようで、朗読しながら段々と思い出してきました。
何はともあれ現代の中高生が自分と同じ作品に興味を持ってくれるのはうれしいものです。「文豪・・・」に感謝しなければなりません。
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