“ネコ型”も“おしゃべり型”も 配膳ロボット導入の飲食店が増加 コロナ下で需要増 (22/02/03 16:17)

新型コロナにより日常生活の中で感染防止対策が定着する中、市場規模を拡大させているのがロボットです。特に、飲食店での配膳作業を行うロボットの需要が増えているようです。

 障害物を避けながら、自動で床を掃除する清掃ロボに、カメラの映像をAIで解析しながら巡回する警備ロボも。

 1月に行われた、愛知県の実証実験では、最先端のロボットがいくつも公開されました。

 最も多かったのは…。

「軽快な音楽に乗せて、配膳ロボットが注文した飲み物を運んできました」(記者)
「お待たせ致しました。ご注文のお料理をお届けしました」(ロボット)

 食事を届ける「配膳ロボット」です。

「耳触らないでニャン!」かわいらしいネコ型の配膳ロボット

 そんなロボットをいち早く導入した、岐阜市の喫茶店をのぞいてみると、かわいらしいネコ型の配膳ロボットがいました。

  ネコ型ロボットが料理は無事にテーブルへ運ぶと、お客さんは「ありがとう」と頭をなでなで。しかし、ネコ型ロボットは「耳触らないでニャン!」としゃべりました。

「(コロナで)喫茶店に来にくいっていう状況ではある中で、こういったロボットが採用されるていると安心して来やすくなる。子どもがキラキラした目で見ているから私もうれしくなっちゃった」(女性客)

すかいらーくでもロボットを採用

 導入したきっかけは、やはり、新型コロナです。

「お客さんが安心できると思う。配膳もできるし下げることもしてくれるから、スタッフのフォローも全部できる。お客さんも楽しくなるし、僕らもニコニコしながら仕事できるので、それが一番いいんじゃないかな」(匠珈琲恵時尊 吉山景洛社長)

 大手レストラン・チェーンの「すかいらーくホールディングス」でも、このロボットを採用していて、年内におよそ2000店舗で導入される予定だそうです。

店名にちなんでロボットを「マツコ」と名付ける

 飲食店で活躍する、配膳ロボットはほかにも。

 名古屋市内の飲食店「キッチンマツヤ」では、店名にちなんでロボットを「マツコ」と名付けました。

 席に着いてスマホで注文すると、テーブルまで料理を運んでくれます。

 「スマートフォンで注文し配膳ロボットで運ぶことで、お客さまと私たちが安全に、食事できる環境を作りたいと思った」(キッチンマツヤ店長仲江亜咲奈店長)

配膳ロボットの市場規模はこの2年で急拡大

 調査会社「富士キメラ総研」の推定によると、配膳ロボットの市場規模は、この2年で急拡大。

 2019年度は1億円でしたが、2021年度の予測は11億円に。今後も拡大していくと見込まれています。

「サービスロボットは、非接触、非対面だったり、人の労働時間の削減に繋がったりするので、一般の施設側のユーザーさんからサービスロボットを導入したいという声が多くなってきた。愛知県内のサービスロボットの社会実装に向けて、実際にユーザーが使うような実証実験を進めて、県内の導入を図っていきたい」(愛知県ロボット国際大会推進室 村川裕亮さん)

北京オリンピックでも

 東海地方の開発拠点の一つ、名古屋大学をたずねました。
 
 1年前から、ロボットの本格的な研究に携わっている、ナイジェリア出身のジュードさん(29)はこう話します。

「研究始めた時は、日本にはそんなにロボットがなかった。中国やアメリカだけ。なんで日本にはないのか考えた。日本の人口は減少していく。だから、今からはロボットが大事だと思った」(名古屋大学工学部 ジュード・ワディウトさん)

 ジュードさんは今後、多機能化が進むだけでなく、AIを使った分析や予測も可能になると期待しています。

 「今は、配膳だけをしていますけど、将来的にはお客様の顔の認識機能や、今日はレストランに何人来たのかなど、ヘルパー的な役割をする。レストランのサービスがもっと良くなる」(名古屋大学工学部 ジュード・ワディウトさん)

 4日に開幕する北京オリンピックの、メディアセンターでは、感染対策として、食堂では天井からチャーハンが降りてくる食堂もあります。

 日進月歩の、ロボット開発。そのスピードは、コロナ禍で加速しています。

 (2月3日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

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