数人のグループが交替で勤務する「交番」とは違い、「駐在所」では警察官がその場所で生活しながら住民の安全を守っています。福岡県みやま市にある駐在所の1日に密着しました。
◆まちの「駐在さん」は32歳
福岡県みやま市にある長田駐在所。早朝7時。まだ薄暗い中、駐在員の百崎一兵さん(32歳)の一日が始まります。一緒に暮らす妻・加奈さん、4歳になる長男・真央ちゃんに見送られながら出発です。毎朝、登校を見守る百崎さんは、子供たちの人気者です。
「かっこいい警察官」「いつも見守ってくれたりしてるから、優しい警察官」
百崎「全力で元気出してもらった日には、気合いが入ります」
◆巡回して困りごともお手伝い
息つく暇もなく、今度は住宅街を回り始めます。百崎さんが行っているのは、「巡回連絡」です。事件・事故や災害があった時に、安否確認がスムーズにできるよう、住宅を1軒ずつ回り、家族構成や緊急連絡先などをあらかじめ確認しておきます。長田駐在所の管内には約1000世帯が暮らしています。
百崎「いま困ってることありますか?」
女性「あれ(木)を運んで。ここに。いいですか、甘えて。重たいですよ?」
女性「あの車をみると安心。ほんとう感謝しております。感謝感謝。その言葉だけ」
◆地元消防団とも連携して
次に訪れたのは、消防団の幹部の会社です。この地域では大雨による冠水被害が起きているため、消防団との連携も欠かせません。
大久保忠・水上地区消防団部長「すぐ携帯で電話して、1人じゃカバーできんので、消防団と連携取って、災害のときはやらせていただいている」
◆学生時代はプロも注目のスラッガー
「こんばんは、百崎でーす。練習しようか」
地域の子どもに野球を教え始めた百崎さん。実は学生時代、プロも注目するスラッガーでした。身長1メートル85センチ。大きな体を活かしたバッティングが持ち味で、九州産業大学では通算20本塁打以上放つなど活躍しました。
「バットをしっかり立てて、ボールに負けないように」
平川想侑さん「(教え方はどうですか)わかりやすかったです」
百崎さんの働きぶりを上司も評価します。
柳川警察署 里晴久地域課長「困りごとを尋ねたり、解決したり、活動してくれているので頼りになる存在だと感じています」
林純一副署長「地域に密着しているんだなと、私も肌で感じました。色男だし、スポーツマンやし」
百崎「恥ずかしいかぎりです。頑張ります」
◆妻のサポート得て仕事に打ち込む駐在さん
巡回連絡やパトロールで駐在所を空けることも多いため、家族の協力は欠かせません。妻の加奈さんも、百崎さんが不在の時の相談や電話対応などを手伝います。
百崎加奈さん「優しくて、家庭的な旦那さんです。真面目過ぎるところがあるので、ストレス発散をしてほしい」
そんな父の姿に憧れたのか、長男の真央ちゃんの夢は「警察官」です。
百崎「子どものうちは、警察官にとどまることなく、夢は大きく持ってもらえればいい」
「警察官は、なかなかとっつきにくいとか、敷居が高いとか言われたりすることが多いので、できる限りフラットに、声をかけてもらえるような親しみやすい警察官を目指してやっていこうと思ってます」
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