内閣支持率が低迷する岸田政権、2023年は立て直しを図る「勝負の年」です。どんな戦略を立てているのか。日本テレビ報道局政治部の取材を統括する平本典昭キャップの分析です。
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年末、複数の総理周辺が「総理は変わった」と口にしました。そう感じたのは、閣僚の更迭や防衛増税の議論を通じて自分の意見を貫いた場面、「聞く力」だけでなく「聞かない力」も発揮するようになったというのです。「決断力」が前面に出た一方、党内からは「唐突だ」などと反発も出ました。
「変化」が出てきたという岸田総理ですが、2023年、どんな決断をしていくのでしょうか。
岸田首相「広島サミット成功に向けて、様々な努力を行っていきたいと考えています」
2023年、最も力を入れるのは、地元・広島で開く「G7サミット」です。総理が描くのは、まずは1月にアメリカを訪問し、バイデン大統領に「防衛力強化」の成果をアピール。本番のG7サミットで「核なき世界」に向けたメッセージを打ち出し、政権浮揚につなげる…というプランです。
しかし、岸田総理は通常国会で野党の厳しい攻撃にさらされるのは確実です。
立憲民主党・泉代表「あらゆる場を含めて、政府に問いただしをしていきたいと思います」
野党は3点セットで攻撃を仕掛けます。1つ目はいわゆる統一教会の問題での被害者救済法の実効性について。2つ目は自民党議員の政治とカネの問題。2か月あまりで4人もの大臣が辞任した岸田総理の任命責任を責めます。3つ目は政府が決めた「反撃能力の保有」や「防衛増税」について。野党側は国会での十分な議論を経ずに決めたことを批判し、「増税は本当に必要なのか?」などと論戦を仕掛けます。
さらに、春には統一地方選挙、衆議院の補欠選挙があり、岸田総理にとってサミットという舞台に立つには、こうした政治日程をクリアしていくことが求められます。
そして、サミットを終えれば次は「衆議院の解散総選挙に踏み切るか」が最大の焦点になります。岸田首相は「解散総選挙については全く考えておりません」と否定していますが、ある側近は「5月のサミット以降は、解散できるフリーハンドを握っている」と解説します。
「聞く力」に加え「吹っ切れて」決断する力も前面に出てきたという岸田総理。苦しい局面を新しい岸田流の決断で乗り越えていけるかが、カギを握る1年となります。
(2023年1月1日放送)
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