ロシアのラブロフ外相が、11月のG20首脳会議でアメリカから提案があれば、米露首脳会談を検討する用意があると明らかにしました。ロシアが追い込まれる中、この発言の背景にあるプーチン大統領の本音やアメリカの受け止めについて、専門家に聞きました。
■「首脳会談を」…外相発言の真意は?
有働由美子キャスター
「『アメリカから提案があれば、米露首脳会談を検討する用意がある』。なぜ今、こんな発言がロシア側から出たのでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員
「プーチン大統領は、ウクライナと停戦したいと思っているようです」
「ロシア政治に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授は、『プーチン大統領は今追い込まれていて、もしバイデン大統領と会談ができるなら、停戦に向けて働きかけてほしい。そして、ウクライナへの武器供与を緩めてほしいと交渉したいのだろう』と分析しています」
「ただ『(プーチン大統領は)プライドが高く、自分から会談したいとお願いするのは格好悪いと思っているので、こういう言い方になった』とみています」
「発言したラブロフ外相について廣瀬教授は、『プーチン大統領に物を申せる立場ではなく、いわゆる代弁者。会談したいというのが、プーチン大統領自身の意向であることはほぼ間違いない』と指摘しています」
■専門家「会う可能性はほぼない」
有働キャスター
「そこまで追い込まれているということでしょうが、アメリカ側は受けるのでしょうか?」
小栗委員
「ロシアで拘束中のバスケットボール選手の解放交渉があれば余地がある、という趣旨のこともバイデン大統領は言っていますが、アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授は『今の段階でバイデン大統領がプーチン大統領と会う可能性はまずない』とみています」
「『キーウをミサイル攻撃しながら停戦を呼びかけられても、バイデン大統領を揺さぶる目的で言っているだけだとして、アメリカ政府は信じていない。本当に停戦を望むなら、プーチン大統領はゼレンスキー大統領に会うべきだ、がアメリカの立場』と言います」
■停戦したいなら…辻さん「自覚ない」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「1日も早く停戦を、というのはむしろウクライナを含め世界中がずっと言ってきたことです」
「この侵攻を始めたことで、本当に多くの方々が命を落として、生活も奪われて、世界の経済にも大きなダメージがありました。それにもかかわらず、ロシアは自分たちがしてきたことや奪ってきたものへの自覚が足りなすぎるのではないかと思います」
有働キャスター
「本当にロシアが停戦を望んでいるのだとすれば、少なくとも(併合を強行した)4つの州とクリミアから手を引く行動を見せてからなのではと思います」
(2022年10月12日放送「news zero」より)
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