先人たちの底力 知恵泉「大塩平八郎 信念を貫き社会を変える!」[解][字]…の番組内容解析まとめ

出典:EPGの番組情報

先人たちの底力 知恵泉「大塩平八郎 信念を貫き社会を変える!」[解][字]

江戸幕府に対して武装蜂起した大塩平八郎。元役人の大塩が、なぜ「乱」を起こしたのか?その信念の貫き方から、政治や社会を変えていくときに何が必要なのか、考えていく。

番組内容
政治や社会、職場への不満や怒り。そして、どう解決すべきか分からない無力感。そんなとき人は、いかに振る舞えばよいのか。江戸後期、幕府に大きな不満を抱えた役人・大塩平八郎は、長く続いた統治が腐敗していることに絶望。役人を辞め、教育者の道へと進んだ。そして、起こした「大塩の乱」。なぜ大塩は、武装蜂起しなければいけなかったのか。その信念の貫き方から、政治や社会を変えていくときに何が必要なのか、考えていく。
出演者
【出演】駒崎弘樹,堀口茉純,大川真,【司会】高井正智

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸

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  20. 民衆

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
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今から185年前の 天保8年。

大坂に火が放たれ

町の5分の1を
焼き尽くしました。

火を放ったのは 陽明学者の…

なんと この男
元は大坂の奉行所に勤める役人でした。

町の治安を守ってきた元役人が

なぜ このような暴挙に
出たのでしょうか。

大塩軍が掲げている旗を
よく見ると

そこには「救民」と書かれています。

平八郎は 民衆を救うために
立ち上がったのでした。

いわゆる…

立ち向かった その相手は…。

日本で一番の
巨大組織…

泰平の世が200年以上続く中
役人たちのモラルは低下していました。

賄賂の横行や
私腹を肥やす不正行為の数々。

更に 天保の大飢饉で

30万人もの餓死者が出る中

豪商たちは 米を買い占めて
価格高騰を招きます。

腐れきった役人や
金持ちへの怒りが爆発した平八郎。

自分の信念に従って反旗を翻したのです。

大塩平八郎は どのように信念を貫き
社会を変えようとしたのでしょうか。

今回 大塩平八郎の知恵を読み解くのは…

大学卒業後 NPO法人を設立。

病気や障害のある
子どもの保育や

待機児童などの問題解決に
取り組みながら

積極的に政策の提言も
行っています。

大塩平八郎の教えに影響を受けたという
駒崎さんは

その知恵を どう読み解くのでしょうか?

本日も ご来店頂き
ありがとうございます。

まず 堀口さん あの…

初恋の人は沖田総司ということで

歴史 大変お詳しいそうですね。

いや 詳しいとかじゃなくて 本当に…

好きなばっかりで

大好きっていう感じで

追求していったら

江戸文化歴史検定という
検定試験があって

何か その1級に 最年少で
たまたま受かったっていうことで。

番組もね お持ちだって
聞いたんですけれども。

そうなんです。 NHKのラジオ第1で
「DJ日本史」という番組の

パーソナリティーを
10年ほど やらせて頂いていて。

「DJ日本史」ね よく聴いてますよ。
ありがとうございます!

堀口さんの
本当にマニアックな知識が すごくて

例えば 松村さんがね
「近世豊後の教育思想家で…」。

そしたら堀口さんが
「あっ それ 広瀬淡窓ですね」って言って。

まあ 普通は出てこない…。
出てこないですね。

出てこない
広瀬淡窓は出てこないですよね。

広瀬淡窓も とっても好きな人だったので
たまたま…。

大川さんは日本思想史がご専門という。
そうですね。

どういう研究を…?
私 あの… 幕末の尊王攘夷思想から

明治にかけての思想が
主な専門なんですね。

大思想家…。
どの視点から見るかによって

全然 また輝きが変わってくるというか。

ようこそいらっしゃいました 駒崎さん。

どうぞ こちらお座り下さい。

お待ちしてましたよ~!
お願いしま~す。

いやいや 改めてご紹介しますが
駒崎弘樹さんです。

ご自身も社会を変えようと
さまざまな事業をされてると。

子どもが熱を出した時に 保育園って

一般的に
預かってくれないんですけれども

その 保育園に代わって
お預かりする病児保育であるとか。

子どもの貧困 虐待
こうした問題に対して

事業でトライしている
そんなことをしております。

今日ね 「大塩平八郎」
テーマですけれども。

何か 接点ってあります?

はい 実は
このNPOを立ち上げた時には

この大塩先生の志を糧に
つらい時にですね 思い出しながら

何か 乗り切っていったっていう。

そんな思い出の方が
この大塩先生なんですね。

NPOを立ち上げる時ですか?
はい。

当時はですね このNPOって
今から18年ぐらい前はですね

なかなか支援してくれる人もいなければ

怪しまれて 「何 言ってんだ?」
というような感じだったんですけど

そこでですね いや きっと…
大塩先生だったら何て言うだろうかと。

これは…

…ということでですね

この大塩先生の思いをですね
自分に重ねて

なんとか つらい時をですね
乗り越えていった

そんな日々でしたね。
今 大事なキーワードが出たので

見てみましょう
こちらですが… 「知行合一」。

あら~ 私も大好きな言葉です。
大好きな言葉!

本当に これ
今日 大事なキーワードですね。

今日はね その大塩平八郎の知恵を

たっぷり味わっていきたいと
思うんですが

その前に 当店名物のオススメというのが
ございまして

こちらです。

イカリング?
イカリング…。

大塩平八郎の怒りとね イカリングを。
あ~! え~!

でも ちょっと 温かめのリアクション。

…楽しみですね。

ありがとうございます!
早速 最初の知恵からまいりましょう!

時は 江戸時代の末期。

(大塩)このような付け届けで

この方を籠絡しようなど不届き千万!

大坂東町奉行所の与力を務めていたのが

本日の主人公 大塩平八郎です。

与力とは
町奉行を補佐する中間管理職で

警察官や裁判官などの役割を
担っていました。

そんな与力に取り入ろうと

町の有力者は あの手この手で
ご機嫌取りをするのが常。

しかし 平八郎は
どんなに小さな不正も許さない

生真面目な男でした。

大塩家は
代々 与力を務めてきた家柄でした。

平八郎も 13歳で与力見習いとなります。

15歳の時 家の系譜を見た平八郎。

大塩家の先祖が武勲をあげて

家康から弓を拝領されたと知り

祖先に恥じぬ仕事をしようと決意します。

文政3年
平八郎 28歳の時に

出会いが訪れます。

大坂東町奉行に赴任してきた
高井実徳は

まさに 理想的な上司でした。

(実徳)周囲に遠慮することなく
正しいと思ったことをやれ。

はっ。

尊敬できる上司のもとで
平八郎は 意気込んで仕事をしました。

そして あろうことか 奉行所内で

恐るべき犯罪が行われていることに
気付きます。

当時 町人たちの間では

無尽講という互助会が多く作られました。

メンバー全員が掛金を払って

誰もが平等な条件で
借り受けできるというシステムです。

ところが帳簿を調べると

掛金の一部を
胴元が不当に着服していたのです。

今の金額にして 1億円を超す大金です。

しかも その不正行為に関わっていたのが
幕府の高級官僚だったのです。

これは 平八郎が書いた調書。

官僚が不正に得た金額が

具体的に記されています。

ところが
平八郎の捜査を聞きつけた幕府は

それを もみ消そうとしてきました。

老中 水野忠邦は 家来に宛てた書状で

「大坂で行っている無尽の帳簿を
焼き捨てよ」と命じています。

そして 翌月。

不正行為の処分が下されました。

こんなことでは 何も変わらない!

処分を受けたのは 下っ端の3人だけで

官僚は 無罪放免。

事件の真相は 闇に葬られたのです。

更に そのひとつき後。

平八郎の後ろ盾だった高井実徳が

突如 奉行を辞任。

内部告発を行った
平八郎への風当たりは強く

もはや 奉行所の中に
居場所はありませんでした。

窮地に追い込まれた平八郎。

自分の信念に従って 大きな決断をします。

平八郎は 25年間勤めた奉行所を
38歳で辞めました。

そして 次に選んだのは教育者の道でした。

実は 若い頃から教育が大事だと考え

自分の塾を開くことに憧れていたのです。

大塩平八郎を研究する
歴史学者の藪田 貫さんは

平八郎が学問を始めた理由を
こう考えています。

…ということで学問を始めた。

当時の学問といえば

幕府が奨励した朱子学が主流でした。

「主君の命令には従うべし」と

上下関係を重んじたことから

封建制度に適した思想だったのです。

しかし 官僚たちの堕落した姿に
絶望した平八郎は

朱子学に対抗して興った 陽明学の中に

自分の教義を見いだしました。

陽明学が掲げる教義の一つ

「知行合一」です。

陽明学の影響を受けながら

平八郎は 独自の教科書を書き上げます。

平八郎は…

…に例えて こう説きました。

こうして
自分の考えを

弟子たちに
広めていったのです。

やっぱり 我々 NPOもですね

困ってる人がいるって

知ってるだけじゃ駄目なんですよね。

そこで 何をするかっていう。

やっぱり 行動力?
そうですね。

だって 動かなければ
人は助けられないわけですし

それを知ってるだけじゃ
足りないっていうふうに思うんで

まさに そのとおりかなって思いますね。

私も 割と正義感が強い方で

上の方とか おかしいなって思ったら

結構 スパンと言っちゃうんですよね。

それは まあ 行動に
なってるわけなんですけど。

結構 こう 社会の中で
多分 言わないとか

何か う~んって
にっこりしながら うなずいていた方が

何か 話は早いのかなって思う時も
ありつつ… っていう感じ。

波風は 立たないようにみたいな。
ですね。

やっぱり 組織を変えてく時って

さまざまなね やっぱ圧力があって
それを変えるっていうのは

非常に やっぱり勇気がいることですよね。

駒崎さん 経験あると思うけど
さまざまに ネットでたたかれたりとかね。

やっぱり 善意っていうのは 必ず…

それを 誹謗中傷ってのがね
セットになってくるから

そういうのは 別にね
大塩の時代だけじゃなくてね

今に至ることなんで やっぱり…

あと やっぱり
私が許せないなって思ったのは

もみ消されたみたいな。

自分が正しいことを言ってるのに
なかったことにされたとかっていう。

いわゆる 記録の改ざんとか
公文書の改ざんとかっていうような

ワードが聞こえてくると…。

現代でも聞こえると
私は結構 嫌だな~

怒りっていう感じになってきちゃうので。

イカリングマーク?
イカリングを表現しました。

その時代に生きてる人が
不利益を被るだけじゃなくて

将来の人が
その時代を評価しようと思った時に

正確なことが 分からなくなっちゃう
っていうことだから

やっぱり そこに関しては 怒り…。
怒り! って思いました。

イカリング。
イカリング。

大塩の考えの
ベースになっているのが 陽明学。

その中心的な教えが
改めて こちらですけれども…

駒崎さんが まさにやってる
NPO活動がそうですよね。

例えば 僕ら ひとり親の方に

すごい安価に ベビーシッターを
提供したりしてるんですね

やっぱり 子育て大変なので。
それで こう やってく中で

やっぱり 厳しい環境だって
知るわけですよね。 「知る」。

知った時に あれ でも何でなんだろう?

何で ひとり親の方はね 厳しい状況に
置かれなきゃいけないんだろう。

そうすると ああ そっかと。

女性の賃金自体が
男性の7割だからなんだとか。

あるいは 政府からの給付金が
諸外国から比べると

すごい少ないとかってことが
分かってくるわけですよね。

今度 分かってきたら じゃあ今度は「行」
「行う」ですよね。

じゃあ 政府に給付金とか手当を
もっと上げてもらおうっていうことを

お願いしよう! とかっていうふうに
つながっていく。

そういった形で…

…んじゃないかな
っていうふうに僕は思ってます。

いや~ 体現してらっしゃる。
すばらしいなと思いました。

ありがとうございます。
堀口さんのね 江戸文化を広めてく

知識を まさに社会に還元してく。
知行合一ですよ。

完全にラジオのリスナーになってますね。
(笑い声)

あの… 大ファンとして。
ありがとうございます。

初めの知恵を見ていきたいんですが…

大川さん この「良知」っていう
言葉が出てきましたけれども

これは どういうことなんですか?

これが 「良知」なんですね。

駒崎さん見てると純粋じゃないですか。

いや… あの~… 「良知」
すごい分かるんですよ。

僕も現場にいてね 例えば…
保育園とかやっていく中でね

例えば 子どもに あざがあって

それが 何か 虐待のね
しるしだったりするって時に

もう うわ~! ってなるわけですよね。

もう 何か いいとか悪いとかの前に
これ なんとかしなきゃっていう。

そういう… 気持ちで

それで 突き動かされてく
っていうところが やっぱりある。

みんな持ってるから 誰しも そういうね…

へえ~ でも難しいですよね。

「心の舵を自分でとれ」っていうのって
何か 大きなものに

引っ張ってもらった方が…
とかっていうふうに

思えてきそうなものですけど
そうじゃなくて やっぱり 一回

自分はもともと 何を
目指してたんだっけみたいなところに

立ち返るっていうことが
大事っていうことなんですかね。

そうですね 私たちは生きてて
実は したいことって

本当に自分の したいことじゃ
ないことって多いじゃないですか。

どうしたらいいんですか?

欲望に?
ええ。

大塩の場合は やっぱり…

…けど やっぱり 内省って
自分を追い詰めることにもなるんで

あんまり やりまくってると

自分の 何か 自信を…
そいじゃったりとか

あるいは 独善的になっちゃったりとか。

だから…

実は大事かもしれないな
なんていうふうに思ってますね。

さあ 社会を変える

理想のリーダーのように見える
大塩なんですが

その彼が なぜ乱を起こしたのか。

次の知恵は反面教師として
味わって頂きたいと思います。

平八郎が奉行所を辞めた
3年後。

大雨による洪水や冷害で
米が大凶作となります。

その後も 3年連続で天候不順が続き
米の収穫量が半減。

ついに 深刻な飢饉が起きました。

30万人が命を落としたといわれる…

天下の台所といわれた大坂も
深刻な米不足に陥りました。

米の値段は およそ3倍に高騰します。

事態を見かねた平八郎は
奉行所に進言しました。

大坂は全国から米が集まる天下の台所。

奉行所が備蓄した米を
人々に分け与えてはどうかと。

しかし…。

大塩殿は隠居の身。

身分をわきまえよ!

平八郎の善意は届きませんでした。

更に 驚くべき事実が判明します。

大坂に運ばれてきた米を
奉行所が港で留め置き

そのまま 江戸へ送っているというのです。

大坂東町奉行の跡部良弼は

江戸幕府の老中
水野忠邦の弟でした。

兄の手柄とするためか

大坂庶民が手にするはずの米を
江戸に回していたのです。

これを見過ごしては 大坂の町
いや 日本全体が駄目になってしまう。

ここは自分の良知に従って行動せねば。

平八郎は
自分の決意を表明した

檄文をしたためました。

決起する理由と参加を呼びかけた檄文は

2, 000字以上にわたります。

事前に計画が発覚しないための
工夫もされていました。

印刷のための木版は
分割して別々に作らせました。

それを つなぎ合わせて印刷し

ひそかに近隣の村へ配ったのです。

…と決めました。

奉行所と豪商の蔵を襲って
そこに隠された 米や お金を

庶民に分け与えようという計画です。

万事 整いました。

しかし 平八郎は
大事なことを見落としていたのです。

直前になって 平八郎の計画に
苦言を呈する者が現れます。

一番優秀な弟子の
宇津木 靖でした。

民衆に武装蜂起を呼びかけるなど
平八郎らしからぬ暴挙。

いま一度 考え直すよう訴えます。

しかし 宇津木は 反乱分子として
斬り殺されてしまいました。

更に…

思わぬ事態が起きます。

計画が漏れたことを知った 平八郎は

直ちに行動することを
同志たちに伝えました。

計画よりも8時間早い…

(大砲の音)

平八郎たちは行動を開始しました。

豪商たちの屋敷に
次々と火をつけて回ります。

火の手が上がったのを見て
近隣の農民たちも駆けつけてきました。

計画どおり 豪商の蔵を襲って
金銭や米を奪います。

分かります?

最初は20人ほどだった同志が
300人に膨れ上がりました。

しかし 奉行所の兵は大砲で応戦。

この反撃に動揺した農民たちは
雪崩を打って逃げ去りました。

大塩平八郎の乱は
僅か半日で鎮圧されました。

しかし 放たれた火は 大坂の町の
5分の1を焼き尽くしてしまったのです。

逃げ場を失った平八郎は
焼身自殺を遂げました。

20人の門弟たちも
次々に捕らえられ 磔の刑に。

黒焦げとなった
平八郎の死体も

見せしめにされました。

果たして 大塩平八郎は

民衆のために立ち上がった
ヒーローだったのか?

それとも大坂の町を巻き込んだ

破壊者に
すぎなかったのでしょうか?

さあ 先ほどとは一転
皆さんの顔が渋くなりました。

私は 大塩平八郎の
考え方は好きだし

尊敬すら
してるんですよ。

弱い人の立場に
寄り添うっていう考え方で

そのために行動を
起こすっていうところまでは

本当に尊敬できるんですけど

その答えが あの大塩平八郎の乱という…
あの行動だったというのが

やっぱり… 共感できない部分で。

いや もしかしたら
門弟たちと話し合っていれば

もっと いい案
思いついたかもしんないし

あ~…

どうすれば よかったんだ… 悔しい。

じゃあ なぜ乱に向かったのか。

檄文の中には こんな内容が出てきます。

これ… これ 今のこと? みたいな。
(笑い声)

…とこも
ちょっと あるぐらいですけどね。

大川さん これは この決起の背景には

陽明学も
関係していたってことなんですか。

そうですね 陽明学の中で

「万物一体の仁」っていうね
言葉があるんですけども

この言葉っていうのは

他人が痛みを
自分の痛みとして
知るっていうことで

あるいは 違う地域の人が困ってたら

自分の地域と同じように
やっぱり 助け合わなくちゃいけない。

つまり 全てのものは一つである?
そう。

思いやりの気持ちで結ばれてる。

大塩の場合は悪いことをしてるのは

「万物一体の仁」を分かってないから
悪いことをしてるんだという

そこのね 決めつけみたいなものが
あったわけです。

当時の大坂の役人たちは 投資目的の
転売っていうのが横行してたんで

それを禁止したりとか
米の米価をね 下げてくということに

すごく一生懸命だったわけ。

だから 役人は役人で
非常に一生懸命やってたし

商人たちも義援金を
当時のお金で 2, 300両集めてるの。

大体4億6, 000万ぐらい。

だから 大塩が敵対する人たちも

それなりに 一生懸命 大坂の町をね
救おうとした部分もあるんですよ。

でも 彼は そこは見えてなかった。

見えなくなってたんですね。
こうなっちゃってた。

改めて ちょっと知恵をね
見てみたいと思うんですが…

うん。 もう まさに そのとおりですね。

彼には 宇津木さんっていう
ちゃんと ものが見えていて

それは よくないんじゃないですかって
言える人もいたんだけど

それが 聞こえなくなってたっていう。

もう本当に 視野が狭くなっていった。

エコーチェンバーっていわれる
自分の声が こだましているような。

要は 例えば SNSの世界ですと

自分に共感してくれる人が
フォロワーにいるから

何か つぶやいたら「そうだ そうだ!」って
言ってくれる人がいっぱいいて

何か 世界は みんな
私に共感してくれてるって

これが だから
正しいんだっていうふうに

錯覚してしまうようなことっていうのが

結構 SNSの世界では
起こってるんですけど。

もしかすると
当時の大塩平八郎の周りも

彼が そう錯覚してしまうような
状況っていうのが

自分が正しいと
思い込んでしまうような状況が

あったのかもしれないなっていうのを
感じました。

そっか。 自分の言った言葉が
返ってきてただけなのに…。

それが民衆の声だと思ってた。
民衆の声だと思い込んじゃってた。

でも これ大塩は 人生の前半において
義憤 怒りによって

さまざまな不正を暴いていって
正義をなしてきたわけですよね。

でも その義憤 怒りっていうのが

最終的に自らの身を
焼いてしまったっていうことで

つまり…

つまり 我々だって 今までの人生で

うまくいくようなパターンを踏襲して
生きているわけだから

それを一旦 手放さなければ
真実が見えないとしたら

それって すごい難しいことなんじゃ
ないかなっていうふうに思うんですけど。

確かに 成功体験があっただけに

判断を誤った可能性もありますよね。

私 哲学専攻の教員なんで

哲学の用語で言うと
「他者性」っていう言葉があるんですね。

「他者性」っていうのは
他人が他人であることが

分かることなんですよ。

やっぱり 他人と自分は違う人間なので

だからこそ
コミュニケーションが大事で

自分の成功体験を
押し通すっていうところを

手放してくような

そういう点検作業 やっぱ 必要ですよね。

だから やっぱり みんなに正義があって

みんな それぞれの他者性を持っていて…

話を聞いて
そして 「君は そう思ってるんだ。

僕は こう思うんだけど」っていう
対話をする中で

「ああ そっか。 自分って もしかして
ここの部分を見てたけど

本当は 世界って
こういうふうにあって…」っていう

また それを「知る」。

知って また人の話を聞くという
「行う」をして

知って行うをしてって
そこに 知行合一をすれば

もしかしたら違ったのかもな
っていうふうに思ったり。

大塩に聞かせたい!
いやいやいや…。

もしかしたら 大塩先生 分かっていたけど
できなかったかもしれないし

あとで 歴史のね あと裁判しちゃ
いけないのかもしれないし

むしろ 大塩先生を裁くというよりかは

自分たち自身が
そうなってないかっていうことを

まなざしを自分たちに

向けるべきかもしれないっていうふうに
思いますね。

結局 失敗に終わった
大塩平八郎の乱ですが

実は 平成の時代になって
大塩について新たな事実が判明しました。

なんと!

平成2年
静岡・伊豆山中にある財団の書庫で

大塩平八郎に関する
貴重な資料が発見されました。

それは 決起の直前に

平八郎が幕府の老中6人に送った
密書の写し。

特定の役人を名指しして

不正の数々を糾弾する内容でした。

平八郎は
大坂で反乱を起こす計画とは別に

幕府が自ら襟を正すことを
期待していたのです。

ところが この密書は伊豆で盗難に遭い

結局 6人の老中には届きませんでした。

後に 山の中で発見され

地元の代官が書き写しを命じたものが

平成になって発見されたのです。

平八郎の思いは
幕府に届きませんでしたが

死後 その遺志は
思わぬ形で受け継がれます。

あの檄文です。

乱のあと 幕府が徹底して
回収したにもかかわらず

ひそかに書き写され
全国に知られていきました。

それを見た
新潟の国学者 生田 万をはじめ

平八郎の
意志を継ぐという者たちが

各地で世直しを求めて
暴動を起こしたのです。

慌てた幕府は
天保の改革を強行したものの失敗。

やがて 尊王攘夷の機運も高まり

徳川慶喜は
大政奉還を行うことになります。

それは 大塩平八郎の乱から

僅か30年後のことでした。

先ほどの檄文を ちょっとこれ

複製なんですけどね 用意いたしました。

長い! とにかく長い!

これはね
大正時代のものなんですけれども… ほら。

大塩の熱い思いが伝わってくる。

今でも 古書店など探しますと手に入る。

それほど たくさんの複製が
作られたということなんですね。

何か先生 逆に
再評価されすぎたというか

大塩の存在っていうのが
意図的に利用されたというか

喧伝された部分っていうのは
ないんですか?

それはね 大いにあると思いますよ。

つまり 江戸の
徳川家による政治っていうのは

ひどいもんであったと。

そういう中で こういう心ある人たちが
反乱を起こして

民衆のために立ち上がったというのは

むしろ ある意味で言うとね
明治以降の歴史観に合ってるんだけど

ただ一方で…

際どい。
そう 際どい。 そうそうそうそう。

駒崎さん 平成の時代になって

新たな事実が分かった
ということなんですけど いかがでした?

僕 全然知らなくて。 あっ そっかと。

ちゃんと提案してたんだと。

何か これが
ちゃんと聞いてもらえてたら

どうなってたのかな? 歴史は。
…っていうふうにも思うし

もうちょっとしたら
体制を変えられるチャンスも

来たかもしれなかったのになと思うと
ちょっと複雑な気分にもなるっていう。

ただ あれが届かなくても

やっぱ 大塩の乱のインパクト
ものすごく大きくて

生田 万の乱がね
同じ年の4か月後に起こるし

そのあとで やっぱり武装蜂起がね
いっぱい出てくるわけですよ。

だから ある意味で言うと…

もう まさしく…

本当に 大きな節目になっている
事件だったと思います。

やっぱり 先ほどの大塩の

長い長い文書に
何が書いてあるかっていうと

「俺の話を聞いてくれ」っていうことだと
思うんですよ。

だから すごく こう… 全然 自分は
理解されないっていうことに対する

自分が正しいと思っているがゆえの
何か こう… 怒り。

怒り。 イカリングがあったのかなって
感じますね。

大塩の感じている義憤 怒りというのは

僕もまた この現代に
感じているものなんですよね。

しかし 一方で…

…という学びも 彼が教えてくれる。

そういう知恵も 彼が教えてくれる。

そこで 少し僕が思ったのは 危機感とか

世の中 こんなに腐ってるという怒りは
とても大事。

だけど それだけだったら
世の中は変えられない。

もしかしたら 「もっと こういうような
社会にしようぜ みんな!」って。

あるいは 「もっと こうしたら
楽しいんじゃないか」みたいな

理想や理念 ビジョンで

世の中を
変えていくっていうことであれば

敵と味方ではなく みんな
このビジョンに向かって

やってけまいかっていうふうに
席について話せる

対話のテーブルを
作れるんじゃないかなっていうことを

思ったりしたので。

自分は それを実践していけたらいいな
というふうに思いました 大塩先生!

社会を変えてく時に
特定の個人っていうもの

あるいは 団体をターゲットにして
攻撃してくっていうのは

やっぱり悲劇しか生まないんですよ。

だから…

それは やっぱりね 面倒くさいし
時間 かかったり

いろんなこと言われたりするんだけど

そこを諦めちゃ駄目だなっていうふうに
思います。

正しいことをしようとしたけれども
悲劇を起こしてしまった人として

大塩平八郎の失敗から 私たちが

その同じような失敗を
繰り返さないことが

やっぱり… 何か 大事なのかな

歴史を学ぶことの
意味なのかなっていうのを

今日 お二人のお話を伺ってて
すごく感じました。

歴史から歴史を変えるってことですね。

私も お店のメニュー
いろんなお客さんの意見を聞いて

もっと面白くしていきたいと思います。

♬~

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