中国で、運転手が乗っていない「完全無人運転」のタクシーが試験営業を始めました。記者が試乗し、その安全性を取材しました。
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試験営業が始まったのは中国内陸部の大都市・重慶です。
記者
「これから私が乗るこちらのタクシー。車内には運転手も、そして緊急時に操作をするスタッフも乗っていません。完全に無人です」
タッチパネルで行き先を設定し、「出発」と書かれたボタンを押すと、ハンドルが自動で動き、タクシーは車道へ。
記者
「前に誰も乗っていないので、怖いですね」
乗っているのは、乗客だけです。
中国のIT大手「バイドゥ」などが開発した自動運転タクシーです。バイドゥでは、すでに北京や上海などで自動運転のタクシーを営業してきましたが、これまでは不測の事態に備え、安全スタッフが同乗していました。今月からついに、初めてとなる完全無人での営業を重慶などで試験的に開始したのです。
タクシーが交差点に差しかかると、赤信号でしっかり止まりました。
記者
「交差点を左に曲がります。ハンドルも曲がってますね」
運転手がいなくても、スムーズにUターンできました。
運営会社はタクシーの走行状況をリアルタイムで監視していて、緊急時には遠隔で車を操作し、乗客の安全を確保するといいます。
ライバルとなる地元のタクシー運転手からは、無人での営業に疑問の声も聞かれました。
“ライバル”となる地元のタクシー運転手
「無人運転は、利用しにくいでしょう」
“ライバル”となる地元のタクシー運転手
「運転手がいないと、安心できないよ。でも業界内の競争でいえば、一つの脅威だよね」
運賃は初乗りが約320円と一般のタクシーの1.6倍ほど。専用のアプリで配車を依頼します。重慶市内に70か所以上ある決められた停留所のみで、乗り降りすることができます。
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自動運転の開発競争が世界で加速する中、中国が急成長している理由とは?
自動運転に詳しい 株式会社ストロボ 下山哲平社長
「リスクをいとわないっていう国のスタイルだと思うんです。走れそうなら、走っちゃいなさいよ。そしたら、世界よりも抜きんでられるでしょと。それが一番重要でしょと。このスタイルなんですね。資金的なバックグラウンドとサポートと、法的なサポート。国を中心として手厚くバックアップしていることで、中国の自動運転って進んでいる」
バイドゥは2030年までに、中国国内の100都市に自動運転タクシーを配備する方針です。
(2022年8月23日放送「news every.」より)
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