「あの子死んだ?」15歳少女の“素顔” 渋谷で母娘を狙った“明確な動機”とは(2022年8月22日)

 東京・渋谷区の路上で母親と娘が刺され、15歳の少女が逮捕された事件です。少女は普段どんな生活を送っていたのでしょうか。事件を受けまして、少女の通う中学校がある埼玉県戸田市の教育委員会が会見しました。

 逮捕された少女(15):「自分の母親と弟を殺したかったが勇気がなかったので、練習するために2人を殺そうと思った」

 犯行は、家族を殺害するための練習だったという少女…。どんな学校生活を送っていたのでしょうか。

 戸田市教育委員会:「当然、学校としてみたら我が校の中に(少女が)いるのかもしれないという前提で考えている。それは不登校という具体的なくくりがあったり、家庭の状況とか報道機関では一部情報があるが、具体的に学校で『間違いなくこの子である』と各家庭に問い合わせはできないので」

 塾へ行くと家族に伝え、家を出た少女の事件直前の足取りの詳細が見えてきました。

 8月20日土曜日の午後7時20分ごろ、渋谷の路上を歩いていた53歳の母親と19歳の娘が包丁で背中などを刺され、重傷を負いました。

 凶器が取り払われ、地面に落ちたような音…。

 現場近くの飲食店店員:「普通のけんかだと思っていて、倒れた娘のお母さんが『少女がナイフを持っているから警察を呼んで』と言って、お母さんが捕まえていて、少女を取り押さえていて、店員がすぐ加勢しに行ってナイフを店員が投げた」

 近くの店員や通行人などに取り押さえられ、駆け付けた警察官に現行犯逮捕されたのは、親子と全く面識がないという15歳の少女。

 その動機にも注目が集まりました。

 逮捕された少女:「死刑になりたいと思ったので、たまたま見つけた2人を刺して殺そうと思った」

 現場近くの防犯カメラには事件前、京王井の頭線「神泉駅」方面へ向かう親子とみられる姿が映っていました。その数メートル後ろを白い上着の少女とされる人物が早足で尾行。

 少女は 親子に近付くと、持っていた刃物で母親の背中や娘の腕などを切り付け、娘は全治3カ月の重傷です。

 捜査関係者によりますと、母親は少女が100メートルほどまで近付いて来た時から「後を付けられている」と感じたと、話しているそうです。

 22日午後、少女が通う学校がある埼玉県戸田市の教育委員会が会見を開きました。

 戸田市教育委員会・会見:「一刻も早く対応したいという気持ちはあるが、なかなかそれ以上の情報が頂けない。それ以上対応できないというじくじたる思いはあります」

 少女について、何も情報を得ていないと繰り返す教育委員会ですが、捜査関係者によりますと、中学1年の3学期から不登校になり、2年生で学校に来るようになったものの、3年生で再び不登校になったそうです。学校でのトラブルやいじめなども確認されていないといいます。

 捜査関係者によりますと、自分の母親を殺そうと思ったのは最近だと話す少女。

 逮捕された少女:「不機嫌になると態度にでる母親に自分も似てきていると思い、殺そうとした。弟がそれを見たら可哀想だから弟も殺そうと考えていた。勇気がなかったので、練習するために2人を殺そうと思った」

 犯行当日の足取りについて、少女は昼ごろ「塾に行ってくる」と母親に告げ、最寄りのJR埼京線・武蔵浦和駅へ移動。電車に乗ってJR新宿駅に午後2時ごろ着いたとみられます。

 その後、事件があった渋谷まで徒歩で向かったことが新たに分かりました。新宿から渋谷は、歩いて1時間ほどの距離ですが、犯行時刻までおよそ5時間あり、この間に何をしていたのかなど、取り調べが進められています。

 捜査関係者によりますと、少女は刃物を3本自宅から持ってきたと話し、リュックの中にはスマートフォンが入っていました。所持金は500円、そのお金も行きの電車賃でほぼ使い果たし、交通系ICなども持っていなかったそうです。

 夏休みの終わりに、全く関係のない親子が刃物で襲われた残忍な事件。

 元埼玉県警の捜査一課刑事だった佐々木成三さんは繁華街の「死角」に注目します。

 元埼玉県警・捜査1課、佐々木成三氏:「自分が複数人襲いやすいような場所はどこかということを歩きながら常に狙っていたということだと思います。もしかすると、あそこで勇気を振り絞って捕まえて色んな人が取り押さえなかったら、彼女は逃げて、持っていた他のナイフで他の人を狙っていたかもしれない」

 さらに、大きな悲劇に見舞われていた可能性を指摘。「女性の親子」が狙われたことにも明確な意図があったと言います。

 15歳の少女が刃物3本を所持し、渋谷の路上を歩いていた親子が襲われた事件。

 現場は京王井の頭線「神泉駅」のすぐ近くで、比較的、人通りが多い場所です。

 元埼玉県警・捜査1課、佐々木成三氏:「彼女は複数人狙おうと、最後まで完遂しようという気持ちが強かった。自分より弱い女性というのを狙ってたと思う。もしかするとターゲットというのは何回も見て、何回もできないと断念して戻ったりとか、もしくはターゲットが来るまで待ち伏せしていたりとか、新宿駅から渋谷駅までの歩いている時間というのはそういうことを繰り返していた可能性は強いと思う。夜になれば良いとかそういうことではなくて、タイミングがあればいつでも『いく』という感じだったのかもしれない」

 「たまたま見つけた2人を狙った」などという少女の犯行動機が本当なら、新宿から渋谷までの間に歩行者だった全員が事件のターゲットになっていた恐れがあります。

 逮捕された時の少女の様子について目撃した人は…。

 現場近くの飲食店店員:「ぼーっとして『あの子死んだ?』って言ってた。完遂できたみたいな顔でちょっと疲れてて、目的達成したみたいな感じ」

 元埼玉県警・捜査1課、佐々木成三氏:「刃物を持って怯えている人を見ると断念したり、自分は捕まってしまうかもしれないということで犯行を断念するということもあるんですけど、本当に、まず彼女は最後までやり遂げるという。だからこそ捕まった時に『あの子亡くなったの』と常に冷静で最後まで自分が死刑になりたい、だから複数人を刺すということを最後までやり遂げるという強い意思だったと思われる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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