第八章 国内における流行の様相 各界では?

#スペインかぜ #パンデミック #本

各界の動向

三井物産
社員3000人を要し世界各地に支店を持つ日本最大の貿易商社でした。
社報でも1918年10月~1919年4月(前流行)、1919年12月~1920年5月(後流行)は死者がずば抜けて多い記録があります。さらに1918年11月5日の「東京朝日新聞」の紙面では社員夫婦の一家が社員の夫、妊娠中のその妻、残された子供4人も感染し、妻は死亡したという今でいうゴシップ並みの記事も載りました。

三菱各社
三菱の社史からは大正6(1917)年から大正9(1918)年まで死亡退職も含め、合計1220人が退職を記録しています。特に鉱山など生産現場で多い犠牲者が多かったようで、大正7年11月は平常年でより多い300人に犠牲者を出しています(月平均50名)

東京市電気局
感染者は1200人(月平均の3倍)の感染者をだしています。死亡記事はありませんでした。

大角力協会
春の前ぶれで台湾巡業の死者と大正7(1918)年の休み力士が例年より多い記録が残っていますが、春以降には死者の記録はありません(春に抗体ができたのでしょうか?)

慶応義塾大学
前流行の1918年に死亡者、退学者が急増しています。

帝国学士院
普段出世率は75%以上の総会ですが、1918年の総会出席率は例年の50%以下でした。しかし、物故会員は増えていないようです。

文芸界
新劇の島村抱月の1918年11月その翌年の松井須磨子の自殺がありました。
さらに新進気鋭の青年画家である村山槐多(23歳)の1919年2月に死亡しました。

文芸作品
志賀直哉が神経質になっていた。「流行性感冒と石」という作品を発表しています。
武者小路実篤も「愛と死」を発表しています。
戦後は宮尾登美子が「櫂」の中で触れています。

日記
日記では原敬の日記で自身が罹ったことを触れています。
秋田雨雀 島村抱月の友人 抱月や松井須磨子のことに触れています。抱月と同時期に須磨子も罹っていたとの記載があります。
ある農民善治の日記は自身がかかった克明な記録ですが、予防ワクチンを受けていました。

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  読み込めば読み込むほど現在の新型コロナ騒動は
  何が問題なのか我々が何をすべきなのかがわかると思います。
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=日本を襲ったスペイン・インフルエンザ「人間とウイルスの第一次世界戦争」= 
                           速水 融 著:藤原書店】

序章 ”忘れられた”史上最悪のインフルエンザ
第一章 スペイン・インフルエンザとウイルス
    
第二章 インフルエンザ発生ー1918(大正7)年 春ー夏
     
第三章 変異した新型ウイルスの襲来ー1918(大正7)年八月末以降
   
第四章 全流行ー大正7(1918)年秋ー大正8(1919)年春
    
第五章 後流行ー大正8(1919)年暮ー大正9(1920)年春
    
第六章 統計の語るインフルエンザの猖獗
    
第七章 インフルエンザと軍隊
   
第八章 国内における流行の諸相
     神奈川県   
       豊富な資料/流行の時期/流行の初発/死者の増大/
       いったん終息。その後の再発/
       後流行の猛威/与謝野晶子が感じた「死の恐怖」/二つの貴重な統計/
       僻地で高い罹患率/都市部と農村部の違い/
       郡部で罹患者死亡率の高かった後流行/
       前流行と後流行の相関関係/1920年1月における死者の激増
     三井物産
       『社報』も語る死者の増大/社員家族を襲った悲劇
     三菱各社
       流行期の上昇している社員の死亡者数/鉱山など生産現場に多い犠牲者
     東京市電気局
       罹患者の多かった「春の先触れ」
     大角力協会
       「角力風邪」/「先触れ」でえ免疫を得た力士
     慶応義塾大学
        民間における青年・壮年層の被害の実態
     帝国学士院
        罹患と外出忌避による欠席者の増加
     文芸界
        犠牲者/文学作品
     日記にみる流行
        原敬日記/秋田雨雀日記/善治日記
第九章 外地における流行
    
終章 総括・対策・教訓
     
速水 融
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%9F%E6%B0%B4%E8%9E%8D

【新型コロナウイルスデーターを読み解きましょう!】
新型コロナウイルス感染 世界マップ:日本経済新聞
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/

日本国内の感染者数(NHKまとめ)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/

新型コロナウイルス国内感染の状況:東洋経済
https://toyokeizai.net/sp/visual/tko/covid19/

日本COVID-19対策ECMOnet COVID-19 重症患者状況の集計
https://crisis.ecmonet.jp/

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