デモの中心で翻る星条旗と謎の集団 香港めぐり米中衝突

中国との境界に近い香港北西部の屯門にある公園に9月末、数千人の若者が集まっていた。そこに黒のゴーグルとマスクを着け、上下黒い服に身を包んだ十数人がやってきて群衆の真ん中に立った。
「おお、見えるだろうか、夜明けの薄明かりの中……」。黒装束の人々が2メートルほどの星条旗を振りながら米国歌を歌い始める。歌が終わると拍手と歓声が一斉にわき上がり、デモ行進が始まった。
 なぜ米国なのか。隣を歩いていた男子学生に尋ねると、意外な答えが返ってきた。「200万人が声を上げても香港政府は動かない。その背後にいる中国政府に圧力をかけられるのは、超大国の米国だけだからだ」

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