圧倒的な存在感 安倍元総理 最後の戦い 参院選の公示日から凶弾に倒れるまでの16日間(2022年7月10日)

応援演説中、凶弾に倒れた安倍元総理。
選挙戦では全国の激戦区を回り、自民党への支持を訴えました。
投票2日前に途絶えた安倍元総理、最後の選挙戦を振り返ります。

政治家にとって選挙とは票を集めること。
つまり、人を集めることです。

安倍晋三元総理大臣
「関口昌一!関口昌一!関口昌一!どうぞ皆さんよろしくお願い申し上げます」

通算3188日という長きにわたって政権を率いた
安倍元総理大臣。
老若男女問わず最も顔の知れた政治家と言えるでしょう。

アナウンス
「安倍晋三」
高校生
「安倍さーん」

人が寄ってきては一緒に写真を撮る―。
どこへ行ってもこんな光景が繰り広げられていました。

女性
「どうやって(シャッター)押したら」
安倍元総理
「いいよ、僕が押します」

「はいチーズ」
安倍元総理
「ここまだ接戦なのでお願いしますね」

総理の座を退いた今もなお存在感は圧倒的でした。

サインをもらった女性
「昔よりパワーアップしたんじゃないですか。
 3回目出て欲しいんですよ」

有権者
「いまだに総理大臣というイメージが強くて。
 まだまだお元気でお過ごしいただけることを期待しています」

存在感はいい意味でも、悪い意味でも…。
在任中に噴出した数々の疑惑、政策に対する批判は尽きません。

野次
「能書きはいいから加計問題と桜を見る会をちゃんと説明しろ」

「アベノミクス見直さないんですか?
 物価高招いてますよ。庶民が苦しんでますよ、安倍さん。
 責任感じないんですか」
安倍元総理
「雇用を440万人作りましたよ」

各地で披露する十八番がありました。
それは、初当選同期の岸田総理のこと。

安倍元総理
「岸田文雄さんは35歳、とても若かった。
 今でも、男前なんですが当時は歌舞伎役者みたいでね。
 自民党本部に入ってくると、党本部の受付の女性がうっとりしてましたよ。
 それ見て私たちみんな不愉快になってたんです。
 28名同期がいて、一番の男前は岸田文雄。
 そして一番人柄がいいのは、安倍晋三と言われていたんですよ、みなさん。
 拍手があって私も本当に安心しました」

投票日が2日後に迫った金曜日。

安倍元総理
「みなさんこんにちは!安倍晋三でございます」

連日続けてきた応援演説。
その最中に銃弾が安倍元総理を襲いました。

この日は長野で遊説予定だったのを急遽変更。
激戦が伝えられる奈良を訪れたところでした。

選挙戦は、一変しました。
安倍元総理が銃撃された当日は選挙活動を中止した自民党。

「暴力には屈しない」として翌日、活動を再開しました。

自民党 麻生太郎副総裁
「そりゃ撃たれるかもしれないと思えば、来なくなる人もいるよ。
 間違いなく、そういう人がいるだろうが、しかし、我々はそういったことを、覚悟してでもやらねばならん。
 やるときはやる。当たり前のことでしょうが」

過去最多22人が争う神奈川選挙区の三原じゅん子氏。

自民党 三原じゅん子候補
「惑わされることなく、冷静な判断をしていくこと。
 このことにともに臨んでいこうではありませんか」
「そうだー、拍手」
自民党 三原じゅん子候補
「それこそが、安倍元総理が望んでいることだと思います」

三原氏は、安倍元総理が亡くなる2日前横浜で応援を受けていました。

安倍元総理
「覚えてますか、皆さん。あのセリフ、『恥を知りなさい』」

3年前、野党が安倍総理に対する問責決議案を出したときの話です。

自民党 三原じゅん子参院議員(当時)
「問責決議案を提出するなどまったくの常識外れ。
 愚か者の所業とのそしりは免れません。
 野党の皆さん、もう一度、改めて申し上げます。
 恥を知りなさい」

安倍元総理
「これすごかったですね。
 野党は怒りましたよ。
 ずいぶん怒った」
「まさに言論によって、相手を説き伏せる三原じゅん子さんであります」

自民党/三原じゅん子候補
Q.
「安倍さんに色々教わられたと思うんですが」
自民党 三原じゅん子候補
「数日前に、応援に来ていただいて、別れ際に安倍総理の元総理の車の中からかけて頂いた言葉が最後でした」
Q.
「その時はなんと?」
自民党 三原じゅん子候補
「それは…今は言えません」

同じ小泉内閣で閣僚を務めた猪口(いのぐち)邦子氏。
いつも着ていた菜の花カラーはやめ黒いスーツで喪に服しました。

演説を終えた猪口氏に話を聞こうとすると…
見覚えのあるマスク。
応援演説をする安倍元総理の隣でも着けていたマスクです。

Q.
「猪口さんがされているマスクは?」
自民党 猪口邦子候補
「アベノマスク。いつも持っているのよ。
 今日もこれ3枚目くらいよ。
 日本の人たちを愛していたから、死んでほしくなかったから、自分は死んでしまったけどね。
 人の命を守るために、このアベノマスク、戸別配布したんですよ。
 本当の愛国者は、そういうこと、笑いものにされようと、撤回しなかったじゃないですか」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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