「家を破産させられた」具体的な動機明らかに 安倍元総理銃撃事件(2022年7月9日)

 安倍元総理の銃撃事件はなぜ起きたのか。逮捕された元海上自衛隊員の男の足取りとその素顔を追いました。

 警察の取り調べに淡々と応じているという山上徹也容疑者(41)。新たに、具体的な動機が明らかになってきました。

 山上容疑者は、ある宗教団体の名前を上げ「安倍元総理がその団体とつながっていると思い込んで犯行に及んだ」という趣旨の話をしていました。その宗教団体に恨みがあったというのです。

 山上容疑者の供述:「家を破産させられた。もともとトップを殺そうとした」

 捜査関係者によりますと、山上容疑者はこのような趣旨の話をしているというのです。事件は、そもそも宗教団体を狙ったもので、筋違いの恨み“逆恨み”だったのでしょうか…。

 山上容疑者が名前を挙げた宗教団体が9日午後に取材に応じ、「親族が年間、何回かイベントに参加していた記録はある」「山上容疑者は信者ではない」と答えました。

 今回、犯行に使われたのは手製の銃でした。自宅リビングから自作の銃が数丁、押収されています。

 山上容疑者と同じマンションに住む住民によりますと、以前、マンション内で「工作の音がうるさい」という訴えがあったといいます。

 同じマンションの住民:「工作の音がうるさいみたいなことは2、3年ほど前に(チラシが)入っていた記憶があります」

 どの部屋からの音か分からず、管理会社が住民全員のポストにチラシを入れたのだろうといいます。

 同じマンションの住民:「(チラシには)工作の音が、木工や金属を削る音とか結構書いてありました」

 また、別の住民は山上容疑者の部屋から何かを切るような音が聞こえていたと話します。

 同じマンションの住民:「キコキコキコだったんで、木を切っているような。普通の違和感はない」「( Q.何カ月くらい前?)ひと月くらい」

 住民によりますと、山上容疑者の部屋は1ルームだといいます。その部屋で、手製の銃を作っていたのでしょうか…。

 山上容疑者の供述:「自分で作り方を調べて部品を買い、火薬もネットで購入した。空の薬きょうも入手した」

 一体、山上容疑者とはどんな人物なのでしょうか。同級生によりますと、高校時代は応援団の団長をしていたといいます。

 高校の同級生:「すごくおとなしい人で応援団に入るのはギャップがありました」

 山上容疑者は寡黙でおとなしく、友人は少なかったそうです。

 高校の同級生:「しゃべっているところを見たことがありません。1人でいる時間が長いので、親しい人はいないと思います。色白でひょろひょろで応援団の体力づくりに筋トレをしていました」

 警察関係者によりますと、山上容疑者はその後に2002年から2005年まで海上自衛隊に在籍しました。

 おととしから今年5月まで、京都府内の工場で派遣社員として働いていて、本人の都合で退職したといいます。

 勤めていた会社の従業員:「3カ月更新を延長して1年半働いていたので、勤務態度は問題なかったのではないでしょうか。製品の搬入、搬出のためフォークリフトを運転していました。基本的には荷物の運搬が主な仕事です」

 取り調べに対し、「前日に岡山に行っていた」と話しているという山上容疑者。安倍元総理は、事件前日に岡山県で応援演説をしていました。

 事件当日、何があったのでしょうか。

 「安倍元総理のホームページで選挙日程を確認した」と話しているという山上容疑者。警察は事件は計画的だった可能性が高いとみられます。

 そして、電車に乗って事件現場まではわずか1駅です。安倍元総理が自分の近くに来ることを知って、犯行に及んだのでしょうか。

 警察は供述の裏付けを進めるなど、捜査を進めています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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