演説開始2分で銃声…安倍元総理亡くなる 警備態勢は十分?専門家解説(2022年7月8日)

街頭演説中に襲撃された安倍元総理が、奈県内の病院で8日午後、亡くなりました。

選挙の応援のため、奈良入りした安倍元総理が、街頭に立ったのは、午前11時半ごろ。演説が始まって2分ほど経ったとき、銃声が2回鳴りました。

銃声がした直後、男は確保されます。山上徹也容疑者(41)が、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されました。

首に銃弾を受けるなど、出血して倒れた安倍元総理は、ドクターヘリで搬送されました。このときすでに重篤な状態で意識はなく、心肺停止だったということです。

現場となった大和西大寺駅は、近鉄の奈良線と京都線が交差する奈良市の中心駅の1つです。選挙ともなれば、ロータリーには、多くの候補者が演説に立ちます。安倍元総理は、駅を背中にして、この場所で演説していて、通りを1本挟んだ駅前ロータリーのあたりで容疑者が確保されました。

山上容疑者が暮らすマンションは、現場から直線距離で約3キロの場所にあります。警察関係者によりますと、山上容疑者は、元海上自衛隊員。2002年に予備自衛官として入隊して、その3年後に退職をしていたそうです。

山上容疑者は「もともと爆弾を作って殺すつもりだった」との内容の供述をしていて、「実験してみたら、自作の爆弾では殺せないことがわかった。それで銃を作り始めた」とも話しているといいます。山上容疑者の隣に住む人は、容疑者の部屋から気になる音を聞いていました。
山上容疑者の隣の部屋に住む人:「木を切るような、完全に手で切っているような音。キコキコいう音だった。ここしばらく音がした」

それが、銃を自作していた音なのでしょうか。捜査関係者によりますと、容疑者は銃のようなものについて、6発の弾丸が入った筒が3本ついていたと話しているそうです。1丁だけではなく、複数あって、今年の春にはできていたということで、計画的な犯行の可能性が高いとみられます。

また、山上容疑者は容疑を認めていて、「殺そうと思ってやった」「政治的信条以外の、安倍元総理の態度に不満をもっていた」といった趣旨の供述をしているということです。

自民党関係者によりますと、安倍元総理は当初、長野に選挙応援にいく予定にしていたそうです。それを7日夕方に変更して、奈良に行くことを決めたといいます。

安倍元総理の妻・昭恵さんは午後5時前に、病院に到着しました。その後、病院の会見が始まりました。
奈良県立医科大学付属病院・福島英賢教授:「本日12時20分に搬送され、病院到着時、心肺停止状態。蘇生処置をしたが、残念ながら5時3分にお亡くなりになられた。けい部2か所の銃創があり、心臓、および大血管の損傷による心肺停止と考えられる。(Q.傷の深さは)心臓にまで到達する深さと理解いただけたら」
手術は4時間半に及びました。死因は失血死だったそうです。

岸田総理:「どうか一命を取り留めていただきたいと祈っておりましたが、祈りもむなしく、こうした訃報に接することになってしまったことは、誠に残念であり、言葉もありません。心よりご冥福をお祈りしたいと思います。民主主義の根幹たる選挙が行われているなか、安倍元総理の命を奪った卑劣な蛮行が行われた。断じて許せるものではなく、最も強い言葉で、改めて非難を申し上げます」

◆元埼玉県警の佐々木成三さんに聞きます。

(Q.自作の銃をつくっていたことが明らかになっています。こうした点から、どのようなことを感じますか)
多数の凶器が押収されていること。長い間、安倍元総理を狙っていたということ。計画的に狙っていた。しかもいろいろな凶器があるなかで、一番、殺傷能力のある銃を持って行った可能性があると感じています。また、いろいろな凶器の試し打ちをしたりしていて、この銃が5メートルの近距離でないと殺傷能力がないと把握したうえで、犯行をしていると感じています。

(Q.警備態勢について、どう思いますか)
刃物による襲撃、拳銃による襲撃も踏まえて、防弾盾を用意したり、十分な警護態勢をしていたと県警は思っていたと思うのですが、結果として、警護対象者である安倍元総理が亡くなるという最悪な結果になったという事案を踏まえると、警護態勢、対策は見直していただきたいと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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