急速に円安が進むなか、私たちの生活にも影響が出ています。外国紙幣を扱う両替所にはドルを日本円に変えようと多くの人が殺到する事態となっていました。
町のパン屋さんも大きな決断を下しました。東京・荒川区にあるコロッケパンが売りの店。コロッケに使うジャガイモ、パン粉、油などが相次ぎ高騰。コロッケパンを10円値上げしました。
元祖ほかほかジャンボパンの青木屋・青木健志さん:「(小麦など)供給量がストップしちゃう、世界的に供給量が。(戦争と)円安とダブルパンチ」
来月からパンメーカーの値上げも通達されました。
店の苦悩も、客は重々理解しています。
客:「変な話、50円くらい上がっても全然買う」「400円ぐらい(だったら買う)。おいしいんだったらいいかなと」
“円”は16日も売られています。
アメリカがインフレを抑えるため大幅な利上げを決定。1994年以来、最大となる利上げも円安を加速させています。
“高騰”しているものもあります。
リファスタ・杉兼太朗代表:「(一日の)取引高で言ったら2000万円、3000万円とか、こういった形で増えます」
“金”です。買取店では売却が殺到しています。
それもそのはず、1グラムあたりの価格は9000円に迫り、歴代2番目の高値を記録しました。
例えば、ネックレス。
この日、売却に訪れた男性。金のネックレスを売りに来ました。結果はいかに・・・。
査定担当者:「こちらですね」
客:「ばっちりです!」
客:「もうちょっと上がりそうですけど」
査定担当者:「そうですよねえ。上を見たらきりがないというか」
客:「ほんとにそうです」
金のネックレスを売却した人:「(売却価格は)きょうは60万円ほどですね。少しでも高い日に売ろうかなと思って来た」「(Q.また売りに来る?)もちろん来ると思います」
円安以外にも、高騰の理由はあります。
リファスタ・杉兼太朗代表:「ロシアの侵攻や物価の高騰ですね、インフレとか。インフレになると金の方に投資が流れる」
客が殺到している場所は、こちらにも・・・。
外貨の両替所です。一日150人近くの人が殺到、思わぬ“円不足”となっていました。
インターバンク・佐藤豪代表:「円安なので一日1億円くらいの買い取りがあります。お支払いする円が足りなくなっている状況は起きています」
世界各国の通貨が、様々な事情で両替されていました。
スタッフ:「2万6000円と控えです」
アメリカ出身の日本人(24):「うれしいです」
3年前までアメリカで暮らしていた女性。当時使っていた200ドルを売り、2万6000円余りに換えました。
仮に1年前の1ドル110円のレートなら、2万2000円ほど。つまり、およそ4000円の差です。
アメリカ出身の日本人(24):「円がとても安いので、その理由で来たのです。貯金したいと思います」
ベトナムで働いていたという女性。ドルを円に換えました。
ベトナムで働いていた30代女性:「日本円でたくさん持っていてもしょうがない」
海外でも、円安に笑顔の人もいました。
マネージャー:「いつでも使えるように円に換える人も多いです」
この円安、いつまで続くのでしょうか。140円超えを懸念する声も出てきました。
円安に、笑顔があふれる国があります。
両替所マネージャー:「一日あたり20人から40人くらいいます。日本円を求める人は多いです」
微笑みの国タイ。それもそのはず、半年で状況は一変しました。
今年初めから急激に上昇したバーツ。両替所を多くの人が訪れていました。
両替所マネージャー:「タイ人は日本旅行が好きなので円安傾向を見て、念のために両替しておく人もいます。旅行以外にも今は不安定な投資先が多いので、いつでも使えるようにと円に換える人も多いです」
専門家は、6月後半から本格化するインバウンドに効果が大きいと話します。
第一生命経済研究所・首席エコノミスト、熊野英生さん:「コロナ前の2019年の平均とこの5月を比べると、30%近く日本の物価が安くなっている。コロナで一番やられたのは飲食店、ホテル、旅館。一番ダメージを受けた部分が改善してくるのは非常に大きな効果と考える」
日銀は16日と17日、金融政策決定会合を開きます。気になるのは、いつまで続くのかです。
第一生命経済研究所・首席エコノミスト、熊野英生さん:「もしかすると来年の前半までアメリカの利上げが続き、円安ドル高が続く。場合によっては、140円台半ばも確率は低いが可能性が出てきた」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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