企業による、障害者の就労を支援する取り組みが広がっています。ロボットとして働くほか、「アバター」になって働くというものも登場しました。
都内のカフェ。店内をのぞくとロボットの姿が。
記者
「こんにちは」
ロボット
「こんにちは」
記者
「飲み物のおすすめメニューを教えてください」
ロボット
「こちらの、OriHimeブレンドっていうコーヒーが一番おすすめです」
実は操作しているのは、島根県に住む寝たきりの女性です。ここは、病気や障害で身体を動かすことが難しく、家から出られない人が遠隔で接客をおこなう、その名も「分身ロボットカフェ」です。ロボットを操縦している三好さんは、生まれつきの難病で身体を動かすことができません。
分身ロボットパイロット 三好史子さん
「接客業とかは、できると思ったことは1度もなかった。外に出ることが難しくても、いろいろな方と出会えて、いろんなつながりを広げられるのがすごく楽しい」
三好さんは週に2日程度、時給およそ1000円で働いています。
このカフェは2018年にオープン。今では働く障害者はおよそ70人にまで増えました。
客
「実際に目の前に人がいて話をしているみたいで、すごく身近に感じられました」
障害者の就労支援。「分身」になるものも、進化しています。新たに登場したのはアバターです。
担当者
「おりひめパイロットのうーさんと申します」
記者
「この部屋でニュースを見たいのですが・・・」
担当者
「ニュースのお部屋は5番でございます。私の後から、ついていらしてください。ご案内致します」
この仮想現実=VR空間は、NTTが提供しているサービス。病気などで外出するのが難しい人たちが、自らの分身=アバターを作成し、VR空間でニュースや動画を見る方法を教えるなど、「案内業務」をします。
今回、アバターとして接客しているのは、福岡に住む女性。持病や2人の息子の子育てのため、仕事の選択肢が限られていました。
アバターとして接客した 臼井美嘉さん
「フレキシブルに(環境や体調を)無理せずお仕事ができるのが、すごく画期的で助かっている」
VR市場はゲームやeスポーツなどで広がりを見せていて、2023年には世界でおよそ8000億円の市場規模になるとみられています。
NTT 経営企画部門XR推進室 鈴木涼真さん
「2030年にXRとして1000億から2000億円を目指していければなと」
VR技術での新しい働き方。NTTは今後、障害者以外の人たちにも広げていきたい考えです。
(2022年02月18日15:17)
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