名前や勤務先を特定しようとする真偽不明の情報も飛び交っている。県は重大な人権侵害ととらえ、保護対策に着手した。
県によると、5日の会議で長崎幸太郎知事が、感染者の権利保護を強化する必要性を指摘し、対応を指示した。
県はネット上にプライバシーを脅かす情報が流れていないかなどを調べる態勢づくりに着手。
犯罪性があれば警察に情報提供することや、弁護士などと協力して人権救済を支援することを検討している。
県の担当者は「感染者がことさら非難されると、早期発見と治療、感染拡大防止に必要な情報も表に出てこなくなるおそれがある」と危惧する。
県内55人目の感染者となった女性は、4月29日に実家に帰省。5月1日にPCR検査を受け、2日に陽性と判明した後、高速バスで東京に戻った。
当初は結果判明前に帰宅したと県に説明していたが、実際は判明後だった。県は2日に女性の感染確認を発表。翌3日に帰宅日を訂正した。
新聞やテレビで報道されると、SNSには女性を特定したかのような情報や、「すべてをさらし上げて見せしめにした方がいい」といった言葉が書き込まれた。
勤務先と名指しされたある企業は「事実無根の情報が流されている」とホームページに掲載した。
県が4日の記者会見で、「感染したこと自体は本人の責任ではない。そのことは配慮してほしい」と呼びかけると、
県庁には「配慮してほしいとはなにごとか」と批判する電話も数多くかかってきたという。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASN576V6GN57UZOB00Y.html
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