■ニュースの概要■ 2022年4月28日、韓国ウォンの為替レートが大暴落を続け、一時1ドル=1270ウォンのラインを割り込んだ。今週、朝鮮日報は社説を掲載し、米韓通貨スワップ・日韓通貨スワップの緊急な復活の必要性を訴えた。米国が利上げを実施したことで、大幅なウォン安が進行している。ウォン安は世界情勢の影響により高騰した原材料の輸入価格をさらに上昇させることになり、実際、韓国の輸入物価は前年比で35%も上昇した。この影響を受け、今年4月1-20日の韓国の貿易収支は51億9900万ドルの赤字を記録し、先月3月に続き2カ月連続の貿易赤字となる可能性が高まった。韓国の製造・輸出業界は、深刻な打撃を受けている。外国人投資家らも敏感に反応し、今年韓国株を10兆ウォン以上売り越すなど、韓国売り、セルコリアが本格化している。朝鮮日報は、こうした韓国の経済・金融不安を解消するためには、基軸通貨国である米国との通貨スワップが必要不可欠であると訴えた。過去、米韓通貨スワップは、2008年の通貨危機のみならず、最近では2020年のコロナ禍による危機において、韓国経済の破綻を救うという大きな役割を果たした。新型コロナ感染症の流行時、上限600億ドルの米韓通貨スワップは3回延長され、昨年末期限が切れたが、尹錫悦新政権は最優先課題として、米国に再支援、再援助を求める必要があるとしている。米韓通貨スワップが実現すれば、韓国のドル不足の不安が解消され、外国人投資家の韓国売り、セルコリアに歯止めをかけることが予想される。さらに朝鮮日報は、2015年に中断した日韓通貨スワップ(当時の上限700億ドル)の復活が必要だと訴えた。文在寅政権は、過去5年間で日韓関係を極度に悪化させたが、尹錫悦新政権においては一刻も早くこれを正常化し、日韓通貨スワップの再開を目指すべきだとしている。朝鮮日報によれば、米韓通貨スワップと日韓通貨スワップの同時締結は、日米韓の三角通貨スワップとして機能するという。そして、現在韓国に押し寄せている経済不安・金融危機の大波を乗り切るために、三角通貨スワップが多大な役割を果たすだろうと期待を寄せている。この記事に韓国国民からは、「韓国ウォンの為替レートの防御に、日韓通貨スワップが、どれほど役に立つというのか?」「文在寅が日韓通貨スワップの再交渉の道も切断してしまったのだ。やはり災いだった」などの意見が寄せられた。
引用・参考:https://www.chosun.com/opinion/editorial/2022/04/25/ELZOYEBBSJCYJBXSRHNS7CFEVU/
https://www.chosun.com/economy/economy_general/2022/04/22/WMMFVVYRUFDMLMABD2KIAK3JVA/
■ニュースに対する日本の反応■ こうした記事の日本語版が掲載されると、日本のネット市民から以下のような意見が寄せられました。「ウォン安がじわじわと進行…。日米と通貨スワップがしたい…。韓国の経済・金融不安は、相当に深刻なようだね。外貨の備蓄が、ぜんぜん足りていないんだな」「韓国のスワップ乞いがまた始まりましたね…」「いくら急げといっても、通貨スワップの締結には最低でも半年、一年はかかるだろう。それまで韓国経済は持ち堪えられるのかな?」「韓国からすれば、喉から手が出るほど欲しい日韓通貨スワップであっても、日本にとっては何の価値もないからね。むしろ日本が大損する危険性が高い。もう、日本が助けたり、甘やかすことは二度とないということを、韓国は肝に銘ずる必要があるね」「韓国が日韓基本条約や日韓合意に違反し、履行を怠っている時点で、日韓間のハイレベル協議は全て止まっているという現実を、全く理解していないようだね」「麻生さんが『誰が頭を下げて金を貸すか。信頼関係が成り立たず、約束した話が守られないようなら、貸した金が返って来る保証はない』と言っていましたよ」「日本と米国には、無制限通貨スワップがある。日米の二角で十分なのに、日米韓の三角にする必要性は全くないんだよ」「韓国は円安が進んで、円が紙くずになると、息巻いていたはずなんだけど、おかしいなあ」「日本の代わりにG7に入るとか、日本を追い越したとか散々妄想を語りながら、なぜ弱るといつも日本に縋りつき、泣きつくんだ?」「2015年に日韓通貨スワップは中断したのではなく、永遠に終了したのです」
今回のテーマは「韓国ウォンが大暴落、米韓通貨スワップの締結を急げ! 日韓通貨スワップの復活も必要だ…」でした。さて、日本と韓国は2005年から2015年にかけて、最大700億ドル相当の枠で日韓通貨スワップ協定を締結していました。2011年、当時総務大臣政務官だった片山さつき氏は「日韓通貨スワップは、日本から頼んだとか、日韓双方に利益があるとかいうのは、とんでもない話です。実質は、日本による韓国への信用補強だったのです」と指摘していました。一方、日韓通貨スワップが終了して1年後の2016年、韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は「韓国側が必要ないと判断して、日韓通貨スワップは終了した」「通貨スワップは双方に利益があるものであり、助けて欲しければ支援するという日本の態度は甚だ傲慢であった」「また通貨スワップをカードに、日韓の諸問題を揺さぶる行為は、日本の偏狭さの表れである」と非難しました。つまり、韓国は自国のプライドのために、自ら日韓通貨スワップを否定し、さらに恩を仇で返したということになります。2022年、再び韓国にデフォルトの危機が迫っていますが、このような経緯から見れば、韓国の通貨スワップ待望論は、極めて一方的、かつ身勝手な願望と言えそうです。以上、甘井香織がナビゲートいたしました。みなさんは、どう感じられましたか?
引用・参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%9F%93%E9%80%9A%E8%B2%A8%E3%82%B9%E3%83%AF%E3%83%83%E3%83%97%E5%8D%94%E5%AE%9A
http://biz.heraldcorp.com/view.php?ud=20150217000275
■使用楽曲提供:
「甘茶の音楽工房」様 https://amachamusic.chagasi.com/
「ミュージックノート」様 http://www.music-note.jp/bgm/
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