渋谷区のバス停 女性死亡事件から1年 元劇団の仲間ら死悼む2021年11月16日

渋谷区のバス停 女性死亡事件から1年 元劇団の仲間ら死悼む
2021年11月16日 18時33分

去年11月、東京・渋谷区のバス停で、路上生活をしていた女性が頭を殴られて死亡した事件から16日で1年となります。現場のバス停には、女性がかつて所属していた劇団の仲間などが訪れ、その死を悼みました。

去年11月16日の早朝、東京・渋谷区幡ヶ谷のバス停のベンチに座っていた大林三佐子さん(当時64)が頭を殴られて死亡しました。

警視庁や関係者によりますと、大林さんは去年のはじめまで試食販売員として働いていましたが、その途中で路上生活となり、去年の春ごろからは深夜から早朝にかけて現場のバス停を訪れ、体を休めていたということです。

当時の所持金はわずか8円でした。

傷害致死の罪で逮捕・起訴された近くに住む吉田和人被告(47)は、当時の調べに対し「邪魔だった。痛い思いをさせればいなくなると思った」と供述していたということです。

事件から1年となる16日、現場には大林さんの死を悼む人たちが訪れ、花を手向けたり菓子や飲み物を供えたりして静かに手を合わせていました。

このうち、フリーランスとして働いているという40代の女性は「自分の仕事も不安定なので、当時、事件はひと事ではないと感じました。きょうは『私たちの社会が助けられなくてごめんなさい』と伝えに来ました」と話していました。

また、16日は大林さんが20代のころに所属していた地元・広島県の劇団で一緒だったという都内に住む62歳の女性も訪れました。

女性は「劇団ではとてもおしゃれで明るく、面倒見のいい人でした。当時、優しくしてもらったので何かしてあげられればと思い、現場を訪れました。なぜそこまで追い詰められたのか、なぜ突然暴力を振るわれなければならなかったのか、いろいろなことが渦巻いて整理がつかないまま1年がたった気がします。魂が安らかでありますように、そのひと言に尽きます」と話していました。

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