
不治の難病を患いながら、元受刑者の出所支援をしている建設会社の社長が札幌にいます。命がけの再犯防止の活動にコロナ禍の影響はあるのでしょうか。
北洋建設 小澤 輝真 社長(46):「あと余命2年ですね、余命では2年と言われているいるが、発症から10年くらいで亡くなると言われたが8年経ちましたから、だから残り2年ですよ」
札幌の建設会社・北洋建設社長、小澤輝真さん46歳。
37歳の時に脊髄小脳変性症という難病を発症しました。呼吸困難でマスクの着用も出来ません。
小脳の神経細胞が変性しろれつが回らなくなり、歩行が困難になる難病で今のところ治療方法はありません。
元受刑者の男性(49):「刑務所は宮崎刑務所です。窃盗です。服役は今回で8回目になります。人の車を盗んで事務所に(盗みで)侵入したり。覚醒剤の回し打ちをしていて、その場で逮捕です」
宮崎県から札幌に来たばかりの新入社員です。
窃盗と覚醒剤の前科8犯。
小澤さんは全国各地の刑務所をまわり、行き場のない元受刑者を積極的に雇用しています。
これまで600人以上を雇用。
現在は前科のある9人が会社の隣の寮で住み込みで働いています。
社会復帰を支援することで、再犯防止につなげる狙いがあります。
北洋建設 小澤 輝真 社長(46):「これから監督署行くのかい」
社員:「観察所です。手続きしにいかないと仮釈放の」
自宅と会社の往復には妻のあきみさんたちの支えが欠かせません。
居間に介護ベッドを置き、ここで寝起きをしています。
「こんにちは、よろしくお願いします」
介護のヘルパーが来ました。
運び込んでいるのはバスタブ。
いったい何が始まるのでしょうか。
元受刑者を積極的に雇用する札幌の建設会社社長、小澤輝真さん。
不治の難病で余命2年。この日は週に1度の入浴支援を受ける日です。
居間に簡易のバスタブを設置し、看護師などスタッフ3人がかりで支援を行います。
日常生活全般で介助が必要と判断され、「要介護4」と認定。
自らの体の自由が日に日に奪われる中、頭にあるのはいつも元受刑者のことです。
北洋建設 小澤 輝真 社長(46):「(受刑者と)会うこともできない。いまコロナのせいで、すべてがよくない、うまくいっていない。受刑者が入社したいと言ってもコロナだから面接ができない、受刑者の仮釈放が進まない」
多くの刑務所が感染防止対策で外部との接触を制限していると言います。
北洋建設 小澤 輝真 社長(46):「(コロナ禍でいっそう)前科があったら(他の会社では)雇用しにくい。(再犯防止には)まずいと思う。月形刑務所は(元受刑者の就職支援を)すごい頑張っている。月形刑務所が頑張っているから応援したいよね。すごいよね」
コロナ禍で思うように採用活動が進まない中、介助の支援を受けつつ元受刑者への命がけの支援が続きます。
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