被害額は約2,300万円。
電子決済サービスを悪用した詐欺の主犯格が逮捕された。
警視庁の車両の中で目をつぶる男。
電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕された、菅拓朗容疑者(37)。
悪用されたのは電子決済サービス「PayPay」。
菅容疑者は、2019年6月にPayPayのアカウントに他人の銀行口座から約45万円を不正に移してチャージした疑いが持たれている。
事件発覚のきっかけは、銀行口座の持ち主が茨城県警へ「見覚えのない送金がある」という相談したことだった。
知らぬ間に口座からお金が引き落とされていたという。
20代女性「え! って思ってしまいます。何で? って」
30代女性「困りますよね。一般人が何か対策できることじゃない気がします」
この手口は被害が続出したドコモ口座の悪用と同じ。
被害者の銀行口座にずらりと並ぶのは、身に覚えのない出金記録。
不正引き出しの被害者「10万、9万、9万、2万と引き落とし送金されていた。全額送金されてしまうのではないかと怖くなった」
電子決済サービスと銀行口座をひも付ける際に行われる本人確認の甘さが狙われた。
今回逮捕された菅拓朗容疑者も同様に本人確認の甘さを悪用していた。
被害者の銀行口座番号、氏名などの情報を何らかの方法で入手。
それらの情報を用いて、Yahoo!のアカウントとPayPayのアカウントを作成した。
その後、この2つのアカウントをひも付けする。
そしてYahoo!のアカウントに盗んだ暗証番号などを用いて、銀行口座をひも付ける。
すると、PayPayのアカウントにもこの銀行口座がひも付く。
これによって口座から直接PayPayアカウントにお金をチャージできるという。
このとき、どちらのひも付けにも2段階認証などの厳格な本人確認はなかったという。
菅容疑者は、不正にチャージしたお金でパソコンやタブレット端末などを購入。
買い取り店に売ることで現金化していた。
菅容疑者が関与したとみられる被害はPayPay以外を悪用したものも含めると、2019年の2月から8月ごろだけで約2,300万円。
不正引き出しの被害は東京や山梨、福岡など全国で約60人。
背後には、組織的なグループが関与しているとみられる。
逮捕された菅容疑者は今回の犯行の指示役で首謀者とみられている。
こうした不正引き出し事件で主犯格が逮捕されることは珍しいという。
警視庁では、口座情報の入手先や余罪についても捜査を進めている。
(2020/11/25)
#PayPay
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