事実上のロックダウンが続く中国・上海で、外出禁止だけではなく、今度は「買い物も禁止」する動きがあります。強まる締め付けに市民の不満は爆発しています。
(上海駐在カメラマンリポート 5月10日)
「政府からの配給が届きました。おそらく野菜でしょうか。配給が住民に配られる準備がされています」
静まり帰った日中の住宅街。『ゼロコロナ政策』の下、今年3月下旬から事実上のロックダウンが続く中国・上海。これまで住宅地を丸ごと消毒するなど強引な方法が行われてきましたが、ここにきてさらに強引な方法で封じ込めが行われているというのです。
上海で撮影された映像では、防護服姿の警官たちがドアのカギを壊して集合住宅に次々入っていく様子が映っていました。動画でのやりとりでは、警官たちに部屋から連れ出された女性は新型コロナウイルスの感染者ではなく濃厚接触者で、それでもドアを破壊してまで隔離施設に強制的に収容しようとしているようです。
別の場所で撮影された映像では、住民が陽性者と同じ階に住んでいるというだけで警察から隔離施設に行くよう迫られているようです。
(住民)
「隔離中に子どもに何かあったら責任取れるの?」
これに難色を示すと警察は次のように話しました。
(上海市の警察)
「ここは中国だ、アメリカではない。いいか、もうあれこれ聞くな。理由なんかない。国の防疫政策にただ従っていればいいんだ」
さらに、こんな制限も…
(上海駐在カメラマンリポート 5月10日)
「私が住むマンションでは5月10日~15日まで、外出だけではなく、買い物や配達の受け取りも禁止となりました」
5月9日に突然配られた1枚の紙。そこには「集団購入、宅配、出前を禁止する」と書かれています。食料の流通が十分とは言えない中、ネットで買い物をしても自宅への配達すら禁止される動きが拡大しています。「物から人への感染を防ぐため」と言いますが、届いた食料が勝手に捨てられる信じられないケースまで起きています。
一方でWHOは中国が行うゼロコロナ政策に対して変更を求めています。
(WHO テドロス事務局長 5月10日)
「ゼロコロナ政策は持続可能ではないと考えています」
『WHO』のテドロス事務局長は「ウイルスが変異し感染力が高まっている」と指摘。状況に応じて対策を変えることの重要性を強調しました。
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