熊本日日新聞より
八代市の秀岳館高男子サッカー部で今年3月、入学・入部を控えて部の寮に入った県外出身の中学3年の男子生徒が2年生部員(現3年生)から殴られたとして、生徒の保護者が暴行容疑で八代署に被害届を出したことが26日、分かった。生徒は3月中に退寮したが、別の高校に進学できない状況が続いている。
関係者によると、生徒は入寮して数日後の3月下旬、寮の食堂で、夕飯用として決められた1人当たりのご飯800グラムを器につぎ分けていたところ、2年生部員の1人からいきなり「調子に乗るな」と言われ、後頭部や背中を殴られた。さらに「殺すぞ」とも罵倒された。
この暴行などをきっかけに生徒は帰省。保護者が署に被害届を出し、4月5日付で受理された。署は任意で調べているという。
秀岳館高によると、サッカー部から事実関係の報告を受け、殴った部員を自宅謹慎にしている。
生徒はスポーツ推薦で入学予定だったが、入学式前の4月4日に辞退届を提出せざるを得なくなり、入学扱いにならなかったため、別の高校に転校できないという。
保護者は熊日の取材に対し、「子どもは全国大会出場を夢見て頑張ってきた。被害に遭った側が浪人を強いられるのはおかしい」と話している。
別の関係者によると、サッカー部では今春、この生徒と同様、数人の男子生徒が入学前に入寮して練習に参加したが、すぐに退寮している。いずれも県外出身で、現在は地元の高校に通っている。
入学前に入寮し、練習に参加した中学3年生の退寮が相次いでいることについて、秀岳館高は「子どもの夢を壊してしまったことは残念であり、申し訳ない気持ちでいっぱい」と言っている。
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