岸田首相は、ウクライナでの民間人殺害などを受け、ロシアに対し、石炭の輸入禁止など新たな制裁措置を発表した。
岸田首相「断じて許されない戦争犯罪です。非道な侵略を終わらせ、平和秩序を守るための正念場です」
岸田首相はロシアからの石炭の輸入禁止を表明し、「早急に代替策を確保し、段階的に輸入を削減する」と述べた。
さらに、追加制裁措置として、「機械類、一部木材、ウオッカなどのロシアからの輸入禁止」や、「ロシアへの新規投資の禁止」、「最大手銀行ズベルバンクとアルファバンクの資産凍結と資産凍結の対象拡大(約400人・20団体追加)」を発表した。
岸田首相「8名の駐日ロシア大使館の外交官および通商代表部職員について、国外退去を求めた」
日本に駐在する外交官ら8人の国外退去について、岸田首相は「総合的に判断し、通告した」と説明した。
これに対し、ロシア外務省の報道官は、「ロシアは適切な対応をとる」とタス通信の取材に答え、対抗措置を取る姿勢を見せている。
このニュースについて、フジテレビ・風間晋解説委員に話を聞く。
内田嶺衣奈キャスター「ロシアへの新たな制裁が発表されましたが、風間さんはどうみていますか」
風間解説委員「この制裁内容は、7日に出されたG7(先進7カ国)首脳声明をなぞったものです。ロシアの外交官追放もヨーロッパ各国と足並みをそろえました。対ロシアでは、G7で結束して対応する。EU(ヨーロッパ連合)、NATO(北大西洋条約機構)とも連携していくという政府の基本方針通りといえます。この新たな制裁の注目点は、ロシア産石炭の禁輸です。首脳声明に書かれてあることを早速打ち出しました。輸入石炭の11%をどのようなスケジュールで減らし、いつまでに禁輸を実現する計画なのか、総理は明らかにしませんでした。日本も石炭禁輸という見出しが狙いなのかもしれません。ちなみにEUは、8月からロシア産石炭の輸入禁止を決めています」
内田キャスター「エネルギーに関する制裁というのは、それぞれの国によって事情が異なりますよね?」
風間解説委員「石炭の50%がロシア産のドイツも8月から禁輸するんです。それにG7首脳声明は、ロシアの石油への依存を低減するための取り組みを加速するともうたっています。石炭の次は石油、その次は天然ガスです。戦争も制裁も長期化するのであれば、曖昧な時間稼ぎが通用するかどうか、対ロシア制裁の本丸はエネルギー分野です。日本はいずれさらに厳しい決断を迫られるのではないでしょうか」
内田キャスター「ロシアとの経済的な結び付きが強い国ほど、国内経済への痛みも大きくなります。日本はもちろん、多くの国が今、選択を迫られているようです」
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