「完全な被害者は俺」監督が顔出し名乗るよう謝罪動画撮り直し指示 コーチ暴行で秀岳館高校が会見【熊本】 (22/05/05 18:50)

八代市の秀岳館高校男子サッカー部のコーチによる暴行問題で、4日の保護者説明会に続き、5日は問題発覚後初めて記者会見が開かれました。

部員たちが騒動を謝罪した動画の撮影に当初から段原監督が関わっていたことを認め、部員たちの顔や名前がさらされる危険性について、監督は「考えていなかった」と語りました。

4月20日、秀岳館高校男子サッカー部の寮内で、男性コーチが3年生の男子部員を殴ったり蹴ったりする様子を撮影した動画がSNSで拡散。

動画を確認した一部のマスコミが21日夕方にこれを報じると、学校とサッカー部の指導者たちを非難する声が相次ぎました。

一夜明けた22日朝、サッカー部のミーティングで段原一詞監督が動画を撮影などした部員たちを名指しして「加害者」と呼び、「完全な被害者は俺」などと発言。

その日の午後にSNSのサッカー部の公式アカウントで一連の騒動について3年生部員たちが謝罪する動画が掲載されました。

学校側は「生徒たちが主体的にやった」と説明しましたが、これを疑問視する声が高まり、翌日、削除。

4日の保護者への説明で動画の撮影には段原監督が関わり、「顔を出して、名乗るように」などと指示していたことが明らかになりました。

監督とコーチは自宅謹慎となり、コーチは暴行の疑いで書類送検されています。

【高橋凜記者】
「サッカー部のコーチが部員に暴行を振るっている動画が流出して2週間が過ぎました。間もなく秀岳館高校で記者会見が開かれます」

4日、臨時の保護者説明会を開いた秀岳館高校。

5日の会見には段原一詞監督ら5人が姿を現しました。

【段原一詞監督】
「サッカー部スタッフの暴力行為、そしてその後の私の不適切な言動・対応を深く心よりおわび申し上げます」

学校は、全校生徒を対象にしたアンケートの結果、サッカー部内で過去約2年間で38件の暴力行為があり、部員8人がけがをしたと発表しました。

このうち24件は書類送検された男性コーチによるもので監督による暴力行為はなかったとしています。

学校側は「暴力行為は日常茶飯事ではないと思うが、多かったことに違いはない」と語り、コーチの処分は「検察の処分を待って対応する」としました。

また、3年生部員が自主的にSNSに上げたとしていた謝罪動画については・・・。

【白井勇教頭】
「21日夜に生徒4人と監督が話し合いをして、何らかのアクションを起こさなければならないと」
「(監督から)悪いことをしているんじゃないからマスクも外して名前も言った方がいいと言われたと」

当初の説明から一転して監督の関与を認めました。

【段原一詞監督】
「私は生徒たちの気持ちに賛同してしまって一緒に考えてしまいました。申し訳ありません」
記者:子供たちの顔や名前がさらされるというリスクは?
「考えていませんでした」

さらに監督のパワハラともとれる発言については。

【段原一詞監督】
「脅迫するつもりはなかったんです。申し訳ありませんでした」

段原監督の処分について学校側は「警察が謝罪動画について捜査中で、その処分を待って学校としての処分を決めたい」としました。

監督自身は「今、目の前に山積していることに全力で取り組んでいきたい」と続投の意向を明らかにしました。

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