台湾問題などで緊迫する米中関係。
先日発表された、2021年の防衛白書に新たに設けられたのは、その米中関係に着目した項目だった。
反発する中国。
新たな脅威になり得る動きに注目が集まっている。
アメリカ海軍の空母「ロナルド・レーガン」。
アメリカが誇る11隻の原子力空母のうちの1隻。
6月、中国が軍事拠点化を進める南シナ海で訓練を行った。
空母は、建造も維持も難しいため、保有する国は限られているが、その保有国の1つ、中国で新たな動きが。
中央にあるのは、中国が建造中の3隻目の空母「003型」とみられている。
これまでの中国の空母は、スキージャンプ方式という、戦闘機が自らの推進力で発艦するものだった。
一方、アメリカの空母は、蒸気をためて戦闘機を飛ばす蒸気カタパルトが主流だが、この中国の「003型」には3本の線があり、ここに電磁カタパルトが組み込まれるとみられている。
電磁カタパルトは、リニアモーターカーと同じ原理を使ったもので、次々と戦闘機を飛ばすことができる。
アメリカでも、フォード級で初めて採用されたばかりの最新技術。
フジテレビ・能勢伸之解説委員「この空母は来年進水し、2025年にも就役するとみられています。これまでより、はるかに能力が向上した『003型』が加わり、中国の空母が3隻体制となれば、日本や極東の安全保障への影響は、大きいといわざるを得ません」
こうした中、2021年の防衛白書は、「台湾をめぐる情勢の安定は日本の安全保障、国際社会の安定にとって重要」と分析。
中国のトップ・習近平国家主席は、中国共産党創設100周年を迎えた7月1日、天安門広場で「『台湾独立』の試みは、断固として粉砕」と演説した。
南シナ海・海南島の中国海軍基地には、上陸作戦用の巨大な「075型」強襲揚陸艦の姿が。
習主席は、4月の就役時に、水陸両用戦車などを視察した。
さらに、これは中国・甘粛省の砂漠地帯を写した衛星写真。
アメリカの研究所によると、119の構造物が並んでいて、これらは中国の新型大陸間弾道ミサイル「DF-41」の発射設備である可能性があるという。
「DF-41」は、最大射程1万1,200km。
アメリカ本土北西部だけでなく、ヨーロッパ全域が射程内となりうる。
フジテレビ・能勢解説委員「アメリカ、イギリスなどがメンバーであるNATO(北大西洋条約機構)は、中国の戦略核兵器拡大に懸念を示し、『加盟国の安全が脅かされれば、敵に受け入れられない代償を課す能力と決意がある』との姿勢を、先月あらためて打ち出しています。中国に、アメリカ、ヨーロッパがにらみ合う、地球をまたぐ駆け引きは、激烈なものとなりつつあるようです」
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