輸出には円安の恩恵も…酒造会社の苦悩 原料輸入・輸送料高騰でプラスの影響も打ち消される (22/04/26 19:00)

《円安とは》1ドル=100円を基準と考えた場合、円安は「円の価値が低い」ということ。1ドルと交換するのに100円より多くの円が必要となる。例えば1ドル=120円、こういった状態が円安となる。
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《円安の影響でダメージを受ける業種・円安の恩恵を受ける分野》
海外で、モモを5ドルで販売する場合 1ドル=100円の時には500円だが、最近の約1ドル=128円という状況では640円。
日本円での売り上げが膨らみ、円安は輸出にとって基本的にプラスに働く。
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《福島県内にも円安の恩恵を受けやすい分野がある》
ジェトロ福島の吉田所長は、モモやカキといった一次産品のほか国産の米や水が原料の日本酒などを挙げている。

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ただ、原料を輸入している場合やエネルギーを多く使う場合は、輸出をしてもプラスばかりではない。

北米やヨーロッパなど約30カ国に、日本酒やウイスキーを輸出している福島県郡山市の「笹の川酒造」。このうちウイスキーは、3月にイギリスで開かれた品評会で世界最高賞を受賞するなど高い評価を得てきた。

一方で、新型コロナの影響で物流が滞り輸送料が高騰。新型コロナの感染拡大前は、アメリカへ輸出する場合酒瓶1本あたり約35円だった輸送料がいまでは350円以上かかっている。
これにより、最近の円安によるプラスの影響も打ち消されてしまっている。

笹の川酒造株式会社・専務 山口恭司さん:「そこ(運賃料)がブレーキになっている部分が大きくて円安効果はそこに吸収されていくだろうと、今後円安が続いたとしてもそこに吸収されていくんじゃないかと思ってます。」

ウイスキーの原料となる麦芽や原酒などは輸入しているため、こちらは円安が進むと仕入れにかかるコストが増加する。結果的に輸出の円安メリットはほとんど無い状況で、笹の川では今後輸送料の負担割合などについて輸出先の業者と協議することにしている。

笹の川酒造株式会社・専務 山口恭司さん:「輸出先のインポーターとのコミュニケーションをもっと緊密にして色んな情報交換をしながら今後の色んな対策を考えていくことが今までよりも必要になります」

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