5兆4000億円でTwitter完全買収を提案「世界の自由のため」イーロン・マスク氏の狙いは(2022年4月15日)

電気自動車大手『テスラ』のCEO、イーロン・マスク氏(50)が、SNS大手『ツイッター社』を完全買収する提案をしました。

イーロン・マスク氏が提示した額は、日本円で5兆4000億円になります。これは全株式に38%を上乗せした額ですが、総資産27兆円で長者番付1位の彼にとって難しい金額ではありません。

イーロン・マスク氏:「負けず嫌いなんだ。僕にとって真実は非常に大切なこと。病的なくらい、大切なんだ」

イーロン・マスク氏はツイッター社の大口株主です。取締役の就任を辞退してまで、なぜ買収に乗り出したのでしょうか。

イーロン・マスク氏:「今の形では繁栄することも社会的役割を果たすこともできない。ツイッターは生まれ変わる必要があります」

イーロン・マスク氏は、この13年間で1万7000件以上もツイートするほどのヘビーユーザーです。ただ、最近のツイートからは不満がにじみ出ていました。

イーロン・マスク氏:「民主主義が機能するためには、言論の自由が不可欠です。ツイッターはこの原則を厳格に守っていると思いますか?」「新しいプラットフォームが必要なのか?」「ツイッターは死ぬのか?」

真意ははかりかねますが、ビジネスではなく、公共的な意味で買収を考えているようにもとれます。ツイートの編集機能や株式の非公開などを検討しているとされています。

今や電気自動車メーカーとして世界一になったテスラを立ち上げ、宇宙事業にも乗り出し、最近ではウクライナ支援でも話題になったイーロン・マスク氏。ツイッター買収はさらなるイノベーションへの布石なのでしょうか。

イーロン・マスク氏:「悲惨なことにならないといいけど、民主主義と自由国家としてのアメリカを機能させるためには重要だと思う。他の多くの国にとってもそうだし、世界の自由を守るために大切だと思う」

◆プロデューサーで、慶應義塾大学特任准教授の若新雄純さんに聞きます。

(Q.Twitterは今や大統領がコメントを残すプラットフォームにもなり、ウクライナ情勢でも存在感を示していますね)

若新雄純さん:「とはいえ、1民間サービスなので、それそのものに自由を求めすぎるのは限界があると思います。それとは別に、自由な言論は本来、別の所に見出すべきではないかと。ツイッターをずっと見ていると、それが世界の全てに見える時がないでしょうか。ツイッターは特に日米で人気で、世界で数億人が使っています。それだけ利用者がいれば、ビジネスを仕掛けたい側としては影響力があると思います。数字を見てみると、日本で『いつもツイッターを見ている』という人は、多い世代でも数人に1人です。昔、テレビの視聴率が何十パーセントとある時に『これ皆が見てるんだよ』と言ったら、父親から『全員は見てないだろ』と言われたことを思い出しました。多数の人が見ていたとしても、その外に本当の世界があったりします。気にはなりますし、有益な情報や活用できるものもあると思いますが、必要に応じて無視したり、気にし過ぎないようにしたり、自分の目で見ることや、色んな情報と見比べることができるようになることが大事な教養で、それが自由な言論を作ると思います」

(Q.情報に触れて自分で判断するということは、これだけ情報があふれるなかでは難しくなっていますか)

若新雄純さん:「情報を得て1回目に判断しようとするから誤るんだと思います。こんな情報があったけど、ここでは別のことを言っていたというように、話し合ったうえで判断するクセをつけないといけません。誰とも議論する前に、1発目で良い判断をしたい、コスパよく情報を得たいという世代が増えている気がします。だからこそ、影響力を持つ人に操作されかねないと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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