揺らぐバイデン政権 アメリカに広がる“トランプ待望論” サンデーモーニング【風をよむ】

プーチン大統領に厳しい姿勢をとり続けるバイデン大統領。その足元のアメリカ国内では微妙な空気が流れ始めています。

■「バイデンは少しは良いことをやったけど、全体的に見ると十分ではない」

先月26日、ポーランドを訪問したアメリカのバイデン大統領。ロシアのプーチン大統領について、こう語ったのです。

バイデン大統領:
「この男が権力の座に居続けてはならない」

プーチン政権の転換を求めたとも受け取られかねず、ロシアとの緊張を一層高めるとの批判が続出。政権幹部が釈明に追われ、バイデン氏も・・・

バイデン大統領:
「発言時も今も政策変更を述べていない。プーチンを倒すために何かをするという基本方針はない」

ロシアの体制転換を求めたものではないと釈明。一方で、「個人的な感情で謝罪はしない」として発言の撤回はしませんでした。

バイデン氏の発言をめぐる波紋はこれだけではありません。ポーランドでウクライナからの避難者を訪問した後、記者団に対し…
 
記者:「プーチン大統領がもたらしたこの現状をどう思いますか?」
バイデン大統領:「彼は“虐殺者だ”」

プーチン氏との交渉を続けるフランスのマクロン大統領は、バイデン氏の発言に、「言葉や行動でエスカレートさせるべきではない」と不快感を露わにしたのです。

こうした騒動もあってか、バイデン大統領の支持率は、就任当初55%以上あったものが、直近では40.8%にまで下落。民主党支持者からも厳しい声が聞かれます。

米・民主党支持者:「社会問題や、気候変動問題で成果がない。しゃべるばかりで何も前進がない」
米・民主党支持者:「バイデンは少しは良いことをやったけど、全体的に見ると十分ではない」

これまで、経済政策の停滞や、記録的なインフレ、さらにここに来てロシア産原油の禁輸によるガソリン価格の高騰が、バイデン氏の支持率低迷に拍車をかけているとされます。

■広がり始めた「トランプ待望論」ともいうべき空気

こうした中、あるツイッタ―が、アメリカで話題に・・・

「トランプ氏が2024年の出馬の可能性をほのめかす」

先月28日、投稿したのはトランプ前大統領の顧問を務めていたジェイソン・ミラー氏。このつぶやきが波紋を呼んだのです。
 
実際はトランプ氏は次期大統領選への出馬を表明していませんが、ここ最近、出馬を意識したとも取れる動きが目立ちます。

例えば、トランプ氏側はネガティブ・キャンペーンともとれる動画を投稿。

teamtrumpインスタグラム:
「インフレは過去40年の高さ。ガソリン価格は天井知らず。国際舞台におけるバイデンの弱さ・失敗は、もはや明白」

また先月26日、ジョージア州で開かれた集会でも、トランプ氏は熱狂的な聴衆を前に、バイデン氏を厳しく批判したのです。

トランプ前大統領:
「アメリカ史上最悪の大統領を5人を集めても、バイデンがたった15か月で犯した失敗には及ばない。バイデンは、ロシアのウクライナ侵攻を阻止するのに完全に失敗した」

こうした中、アメリカ社会に「トランプ待望論」ともいうべき空気が広がり始めているのです。

トランプ前大統領:
「われわれはアメリカを再び偉大にする!」

2月末、フロリダ州で保守系団体によって行われた次期大統領選での共和党候補者指名の模擬投票。トランプ氏は、2位にダブルスコアの大差をつけて1位となります。

またハーバード大学の研究所などが先月29日に発表した世論調査でも、2024年の大統領選が今行われた場合、トランプ氏に投票すると答えた人が47%と、バイデン氏の41%を上回りました。

トランプ氏の支持者:
「トランプ氏は最高。彼はアメリカをまた偉大にするし、世界もまた偉大にするわ」
トランプ氏の支持者:
「もしトランプ氏が出馬するなら、また支持するよ」

■「核戦争一歩手前だと思うような空気もアメリカでは広がっている」

ロシアのウクライナ侵攻直前(2月22日)に、保守系ラジオ番組でプーチン氏を「天才的」と称賛して批判を浴び、また去年1月の連邦議会襲撃事件でも、いまだ批判されるトランプ氏。

にもかかわらず、なぜトランプ氏に期待する風潮が広がっているのか。専門家は・・・

前嶋和弘・上智大学教授 (現代アメリカ政治) :
「アメリカのメディアは朝から晩までウクライナのニュース。世論調査の中には約半数がプーチンがアメリカに向けて核を打ってくるんじゃないかと危惧するもの(調査)も出ている。核戦争一歩手前だと思うような空気もアメリカでは広がっている」

そうした社会の不安が影響を及ぼしていると前嶋さんはいいます。

前嶋教授:
「戦争の様な危機的な状況になると、強引なリーダーを人々は求める。バイデンが弱腰だったんじゃないか、もしトランプだったらプーチンの侵攻を止めていたんじゃないかと。ただ一方で、世界は特に欧州は、トランプ再登板に関して“ノー”、ヨーロッパの結束が崩れてしまうんじゃないかと、かなり警戒している」

支持率低迷にあえぐバイデン政権。その一方で、徐々に広がる「トランプ待望論」とも呼べるような空気。今後、アメリカはどこへ向かうのでしょうか。

(「サンデーモーニング」 2022年4月3日放送より) 

(03日15:30)

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