・23日午後1時すぎ知床沖の観光船の乗員から救助要請
・専門家「座礁やまれに急激な高波がたって浸水することも」
午後6時すぎ 北海道・知床沖 雲戸和輝 記者
「現場の海域はまもなく日没を迎えますが、現在も乗員乗客の安否はわかっていません」
「沖から陸に打ち付けるような風が吹いていて海面にはところどころ白波が立っています」
23日、午後6時ごろ夕焼けでオレンジ色に染まる知床半島。そのすぐ傍の海面では懸命の捜索活動が行なわれていました。
23日、午後1時すぎ、北海道知床半島の西側にある「カシュニの滝」付近の海域を航行中の観光船「KAZU1(カズ・ワン)」の乗員から救助要請がありました。
「船が沈みそうだ・・・」
船には子ども2人を含む24人の乗客と船長と甲板員、合わせて26人が乗っていました。現在、海上保安庁が捜索を行っています。
午後6時30分ごろ、観光船を運航する「知床遊覧船」の事務所には・・・安否のわからない乗客たちの家族でしょうか?数人が並んで椅子に座っています。手にはスマートフォンが握られています。また事務所の外では誰かと電話で話している関係者も・・・
船が浸水したとみられる午後1時ごろ、知床付近の海水温度は4度前後で、最大瞬間風速は13メートルを超え、波も高かったということです。
海上保安庁によると水温が5度以下だと15分から30分で意識不明に陥るといいます。知床遊覧船によると観光船は午前10時に斜里町のウトロ漁港を出港し、知床岬付近まで航行したあとウトロ漁港に戻る途中だったということです。
北海道・知床沖
「現場海域の上空では海上保安庁のヘリが船を捜索しています。海上保安庁の巡視船が現場海域を捜索しています。海上からそれから空から観光船の捜索が行わています」
ウトロ漁港で48年漁師をしている男性は・・・
ウトロ漁港で48年漁師をする男性
「自分が漁から戻って入港したのは午前11時45分なんですよね。その時点では西の風、8~9mくらいだった。入港して30~40分したらだんだん風が吹いてきて波も少し立ってきたかなという感じには見えていました」
これは観光船が出港した斜里町のウトロ漁港の午後4時30分ごろの様子です。白波が立っているのがわかります。
浸水の原因について考えられる可能性は・・・
ウトロ漁港で48年漁師をする男性
「(船体が)ぶつかるとすれば、例えば座礁するような感じでぶつかるということで、あればすぐ船沈みますからね(危険な場所などについて)そこらへんの情報は観光船の人たちも把握して運航していると思う」
海洋問題に詳しい専門家も、観光船が浸水した可能性をこう分析します。
東海大学 海洋学部 山田吉彦教授
「船主側がくじらとぶつかった場合、穴が空いたりすることが考えられる海域です。もう1つが座礁、隠れている岩とかにぶつかってしまったというのがあります。あとはまれに波が時折、急激な波が立つことがあってそれでバランス崩して船主が浸水してしまったということが考えられます」
時より高い水しぶきが上がる中、進む船。これは去年10月の遊覧船「KAZU1」からの映像です。
当時も波が高い中の運航で、船酔いしている人も少なくなかったといいます。知床遊覧船のホームページによると2隻の遊覧船を保有し、知床半島のウトロ側で3つの遊覧コースが設けられていて、最も長いコースでおよそ3時間かかります。船の上からヒグマなどの野生動物を見ることができ、高さ30メートルの「カシュニの滝」も間近で見ることができます。同じルートの観光船に乗ったことがある女性は・・・
同じルートを別の船で観光した女性
「クマとかイルカとかクジラとか見られるので結構人気です。やはり岸の方は波がうっている感じはありましたね多少は、酔いますね。吐いている方もいました。船は結構揺れる、思っているよりも揺れる、波が穏やかでも揺れる」
この観光船は去年6月にも港外に出て間もなく浅瀬に座礁。乗客乗員23人にケガはありませんでした。
北海道・知床沖
「観光船が浸水してから、およそ5時間が経ちますが、まだ船は見つかっていません」
現在も海上保安庁による捜索は続いていますが人や船は見つかっていません。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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