いわゆる「ブラック校則」として社会問題化し、全国的にも見直しの動きがある中学校の校則について。佐賀県内の状況を中溝記者に解説してもらいます。
中溝記者)「下着・靴下・靴は白」「ツーブロック・ソフトモヒカン禁止」「携帯電話の所持禁止」「縮毛矯正・パーマ・アイロン・整髪料禁止」「友達の家へ外泊禁止」「名札は制服に縫い付け」現在、県内の中学校で実際に運用されている校則の一部です。おそらく、これらを見て何の疑問も持たなかった方も、「まだそんな校則があるの」というように驚かれた方も、両方いると思います。この「下着は白」については、女性教諭が女子生徒の襟元から下着のひもを出させて確認する学校もあるということです。
中溝記者)一昔前はもしかすると“当たり前”だったようなものも、最近では「不合理だ」「時代に合わない」などとして議論の対象になっています。例えば、今年3月には東京都で男子に人気の髪型「ツーブロック」をめぐる議論があり、なぜ禁止するのか問われた教育長が「外見を理由に事件や事故に遭うケースがあるため」と発言し波紋を呼びました。
キャスター)全国的にも見直される傾向にあるなか、県内はどうなんでしょうか?
中溝記者)佐賀県教育委員会は今年3月、県立学校や各市・町の教育委員会に校則の見直しを求める通知を出していて、「現在見直しが進んでいる」との認識を示しています。また、先月末には校則の見直しに向け弁護士会が提言を出しました。佐賀県弁護士会は今年4月から先月までに県立中学校4校と佐賀市立の18校の校則を情報公開請求などで調査。その上で、見直しを求める提言をまとめました。今月13日には県教育委員会に提出し、各市町の教育委員会や県PTA連合会にも送っています。子供の権利を制限する校則がどこまでなら許されるのか、法律の専門家として基準や考え方を示した形です。弁護士会は校則について、「教育目的を達成するために制定される一方、子供の自己決定の自由と衝突し、その人権を過度に制限する危険性がある」と指摘しています。その上で、見直しに向けた提言として挙げたのが次の3点です。「本当に必要で重要か見直すこと」「校則の中に子供の権利を明記すること」「策定や改定に生徒が関与できる仕組みを作ること」。その校則がないと教育目的が達成できないのかという観点から見直すことはもちろん、生徒自身もルール作りに参加し、校則に納得できるようにするべきとしています。
キャスター)他県では実際に生徒の意見を聞いた自治体もあるんですよね?
中溝記者)熊本市教育委員会は今年小中高生やその保護者など、およそ5万人を対象に校則の見直しについてのアンケートを行っています。結果は中学生で35パーセント、高校生で46パーセントが「見直しが必要」と回答しました。このように校則の見直しは各地で進んでいますが、もちろん学校が集団の中でその教育目的を達成するために教育に適した環境を維持するために一定の規制は必要です。弁護士会は今回の提言について「見直すことで生徒の自由な発想を生むようなよりよい校則を考えるきっかけにしてほしい」としています。
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