ロシア軍が攻勢を強めるウクライナ東部で駅にミサイルが着弾し、これまでに犠牲者は52人に上っています。ロシア軍は、このミサイルを使用しているのはウクライナ軍だけだと攻撃を否定していますが、その主張には矛盾も見えてきました。
目を背けたくなるような被害。
8日、ウクライナ東部の鉄道の駅にミサイル攻撃があり、これまでに52人が死亡し、98人が負傷しました。
現場に居合わせた人:「何が起きたか分からなかった。電車を待っていたら爆発の音が聞こえて、その後、砲撃が起き、雨のように激しく弾丸が飛んできた」
当時、駅にはドネツク地方で続く激しい砲撃から必死に逃れるために避難用の列車を待つ住民ら約4000人がいたといいます。
そのほとんどが女性と子どもでした。
ゼレンスキー大統領:「5人の子どもの犠牲者も出た。数十人もの重体の患者が病院に運ばれている。これはロシアによる新たな戦争犯罪だ。関与した者は法による裁きを受けるだろう」
駅近くの芝生の上には大きなミサイルの残骸が残されていました。
ドネツク州知事:「住民らが避難のためクラマトルシク駅に着いた時、ロシアは弾薬付きミサイル“トーチカU”を発射した」
ウクライナはロシア軍がミサイル攻撃にトーチカUを使った可能性を指摘。
国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」の兵器専門家によりますと、トーチカUは極めて命中精度が低く、標的を外れることがしばしばあるため、人口が集中しているエリアでは使うべきではないとされている兵器です。
これに対し、ロシア側は・・・。
ロシア国防省・コナシェンコフ報道官:「トーチカU戦術ミサイルの残骸がクラマトルシク駅の近くで発見されたが、そのミサイルを使用しているのはウクライナ軍だけだ」
ロシア国防省はトーチカUを使用しているのはウクライナ軍だけで、ウクライナ軍が民間人を人間の盾に使用するために住民の脱出を妨害したと主張しました。
現在、ウクライナの東部や南部で攻勢を強めるロシア軍。
一方、アメリカの国防総省は、ロシア軍の戦力は軍事侵攻前と比べて15%以上失われたとの分析を明らかにしました。
しかし、ロシア軍は予備役の動員を始めていて、6万人以上を動員しようとしている兆候があると警戒を呼び掛けています。
こうしたなか、東ヨーロッパのスロバキアは旧ソ連時代に開発された地対空ミサイル「S-300」をウクライナ側の求めに応じ供与したと発表しました。
軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「S-300は防空システム、かなり広範囲に使えるもので、これがあればロシア軍の爆撃機がウクライナの射程内に入ってくるのはかなり厳しい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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