京都大学 教育学研究科 2020レクチャーシリーズ
越境する「日本型教育」の歴史的・多角的理解に向けて
https://ocw.kyoto-u.ac.jp/course/993/
第4回
〈連動史〉として見たブラジルにおける日本的教育文化の展開
根川幸男
国際日本文化研究センター プロジェクト研究員
要旨
太平洋戦争前のブラジル日系社会は、帝国の飛び地、国民国家ブラジルを形成する一つの移民コミュニティという二重の性格を帯びていました。したがって、ブラジルの日系移民子弟教育においても、日本的教育とブラジル公教育が並行して発展しました。
本講義では、1930年代後半に全盛期を迎えたブラジル日系小学校教育を概観し、そこで行われた日本的教育の実践を紹介します。特に、ブラジルのナショナリゼーション政策が進められた当時、日系小学校において、スポーツや銃後運動、修学旅行を通じて、日本的教育が展開していく様子を確認します。そして、日本とブラジルの二つの近代化の連動を見たとき、日本的教育文化がどのような歴史的意味を有し、どのような問題を喚起するのかについて、考えてみたいと思います。
00:00 | 講師紹介
05:33 | はじめに:今日の講義
13:04 | 0. 〈連動史〉として見た近代日本人の移動と「四重構造の帝国」
27:38 | 1. 1930年代に全盛期を迎えたブラジル日系移民子弟教育:日本的教育とブラジル公教育の二重性
45:59 | 2. 日本とブラジルの二つの近代化の連動
1:01:43 | 3. ブラジルの日本的教育文化の特徴:日系移民子弟におけるスポーツ、銃後運動、修学旅行
1:20:39 | 4. まとめにかえて:ブラジル日系移民子弟教育研究史の問題と可能性
2020年10月31日
Zoom開催
京都大学大学院教育学研究科 グローバル教育展開オフィス
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