ロシア軍 東部に戦力を集中、キエフ撤退は「次の作戦投入への準備」米が分析(2022年3月31日)

 停戦協議を経てロシア側が「首都キエフなどで軍事作戦を縮小する」と発表するなか、ウクライナへの砲撃がある特定の地域に集中していました。

 日本時間の31日朝、投稿されたゼレンスキー大統領(44)のメッセージです。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「東部にあるドンバス地方でロシアが戦力を拡大しつつあります。私たちはそのために準備しています。国土の一片すら与えず、1人の国民のために祖国を取り戻す戦いです」

 現在、ロシア軍はマリウポリを含む東部2州に戦力を集中、完全制圧を狙っているとされ、アメリカの研究機関によりますと、「数日以内にマリウポリが陥落する」との予測もあります。

 これは、人道支援を行う赤十字の関連施設がロシアによる砲撃を受けたとされる画像。

 長引く侵攻の影響を受けるのは、罪のない市民たち。特に、東部エリアは包囲されたままで犠牲が拡大しかねない状況です。

 グランディ国連難民高等弁務官:「私たちはEUや世界中の国と地域にさらなる寄付や支援を呼び掛けます」

 国連によりますと、ウクライナ国外に避難した市民は400万人を超え、信仰が始まる前の人口およそ4300万人から実に1割近い人々が、祖国を追われたことになります。

 ロシア側が「キエフなどで軍事作戦を縮小する」と発表してから一夜が明けても、ウクライナ政府は「言葉を信じる理由がない」とロシア軍の動向への警戒を続けています。

 キエフ、クリチコ市長:「きのうロシア軍が立ち去ったとの情報があったが、それは事実ではありません。一晩中、大きな爆発音が周囲で鳴り響きました。つまり戦闘は続いていて、きょうも人々が亡くなっている」

 首都郊外の村では学校が砲撃され、教室などにがれきが散乱。

 ウクライナ政府軍の兵士:「ロシア軍は民間人や子ども、軍人を区別しないし、学校や病院なども区別しない。邪魔なものをすべて破壊する」

 兵士たちは木陰に置かれた迫撃砲に弾を込め、ロシア軍と砲火を交えていました。道路や山間部も穴だらけ・・・。軍事作戦の縮小とは程遠い様子です。

 キエフ近くの他の街でも激しい戦闘が繰り広げられ、多くの犠牲者を出していました。

 イルピン、マルクシン市長:「24時間砲撃にさらされ、その最中住民は犠牲者を庭や公園に埋めていました。200から300人が亡くなったとみられ、多くの人がまだがれきの下に取り残されたままです」

 またアメリカは、ロシアの主張する一部撤退について次の作戦に備えた行動だとの見方を示します。

 アメリカ国防総省・カービー報道官:「キエフに展開するロシア部隊の2割ほどが再配置を始めています。ベラルーシに向かうものと思われますが、恐らく補給と再編成を済ませ、次の作戦に投入されるとみられます」

 一方、ロシア側はここまでの戦闘が計画通りだったとして最終作戦に入ると発表しました。

 ロシア国防省・コナシェンコフ報道官:「大都市キエフなどにウクライナ軍を釘付けにし、我々の解放を目的とする東部ドンバス地方へ戦力を振り向けさせないようにしながら大きな打撃を与えるという目的は達せられた。我々が最終的な軍事行動に入る下地がすべて整いました」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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