東日本大震災から11年。母親と、そのおなかに宿っていた妹を失った男の子が今週、中学校の入学式を迎えました。悲しみから立ち上がり、その後に迎えた母親、そして生まれてきた妹。一家の11年の軌跡です。
父親に教えてもらいながら真新しい学生服に袖を通す小鎚悠陽君(12)。
この日、岩手県陸前高田市で中学校の入学式を迎えます。
新たな門出を前に、東日本大震災の津波で犠牲となった母親に手を合わせます。
小鎚悠陽君:「(Q.なんて伝えたの?)『いってきます』って。友達とかも知らない人もいるけど、ちゃんと仲良くして勉強とか運動も頑張るって」
悠陽君の母・有花さんは11年前、24歳の若さで亡くなりました。
おなかには2カ月後に産まれるはずだった悠陽君の妹がいました。
悠陽君の笑顔が父・潤一さんの生きる希望に。
当時2歳の悠陽君は、お墓参りで天国にいるママに呼び掛けます。
あの日から11年、悠陽君に可愛い妹が誕生しました。
生後10カ月の陽心ちゃんです。
母親がいなくて寂しかった悠陽君ですが、3年前に潤一さんが同い年の希望さん(37)と再婚し、お母さんと妹ができたのです。
妹の陽心ちゃんは、年が12歳離れています。
思春期を迎えた悠陽君は妹ができて、うれしい反面、戸惑いも感じていました。
小鎚悠陽君:「少し複雑な気持ち。少し驚いているとか、分からなくなったとか、(妹に)どう接したりすれば良いのかとか」
今年3月。家族は陽心ちゃんを連れて初めて、お墓参りに行きました。
小鎚悠陽君:「悠陽の入学と新しい家族が増えたって言いました」
一歩一歩、前へ進んでいます。
悠陽君は震災当時、避難所になっていた中学校に入学。
同級生との記念撮影では女の子たちに挟まれ、はにかみながらピースサイン。
小鎚潤一さん:「自分のことも(自分で)できるようになってきて、ちょっと背はまだ小さいけど自分の意見もあって成長は感じています」
小鎚希望さん:「皆が笑顔で笑って楽しく仲良く過ごせたらなと」
妹をあやす姿も少しずつ、お兄ちゃんらしくなってきました。
小鎚潤一さん:「色んな人に助けられながら過ごした12年間なので、そのうち悠陽本人も誰かを助けられるような人になってほしい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
powered by Auto Youtube Summarize