「死者さらに増える」“大量虐殺”欧州に温度差も※動画視聴の際はご注意ください(2022年4月5日)

ウクライナの首都キーウ近郊のブチャでは、これまでに300人以上の市民が殺害されたとみられていますが、4日も新たに遺体が見つかりました。
亡くなった男性の家族:「ロシア兵が来て彼を連れ去った。 その後 何があったかわからない」

ゼレンスキー大統領は、ロシア軍によって破壊しつくされた街を訪れました。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領:「ここで起きたことは戦争犯罪であり、ジェノサイドだ。数千人が殺され、手足を切られ、女性はレイプされ、子どもが殺された」
ゼレンスキー大統領は、こうした惨状がほかの場所でも起きていると語りました。

ブチャのさらに北西、キーウ中心部から50キロほどの街・ボロディアンカ。3日に軍の用意したバスで、この街を訪れたという男性に話を聞きました。
キーウ在住・ロシュコフさん(34):「原子爆弾の攻撃を受けた映画に出てくるような街の様子だった。現実的ではない、破壊の光景だった。9階建ての建物の、いくつかが全壊していた。何人が、がれきの下で死んだのかわからない。たくさんの人が死んだのだろう」

アメリカは、今週中に追加制裁を発表する予定です。
アメリカ・バイデン大統領:「プーチンを戦争犯罪人と呼んで批判もされたが、ブチャの惨状が真実であり、戦争犯罪人である「裏付け」となる」

証拠を集めるべく、すでに国際人権団体が現地で調査を行っています。
ヒューマン・ライツ・ウォッチの危機・紛争調査担当者:「殺害行為が多発していたことを現場は、強く示しめしている。実際にビニール製の結束バンドで後ろ手に縛られた状態で、殺害されたとみられる遺体が確認されている」

ロシア政府は、かけられた疑惑について、真っ向から否定します。
ロシア・ラブロフ外相:「ブチャの大量虐殺が西側のフェイクであることと、ウクライナ危機の偏った論調を暴くことが我々の役目だ」

ロシア国防省は、ブチャで見つかった遺体について、すべての部隊が撤収する3月30日まではなかったとしています。しかし、ニューヨーク・タイムズが分析したところ、その主張を覆す現実が浮かび上がりました。ブチャ奪還後に撮影された映像と見比べると、衛星写真の影が遺体の発見場所と一致。街がロシア軍の支配下にあったときから、すでに遺体があったと結論付けました。

この事態に国際社会はどう対応するのでしょうか。

ヨーロッパでは、ロシアの外交官を追放する動きが広がっていますが、国によって姿勢に濃淡があります。イギリスは、今週、開かれるG7外相会合で石炭や石油、天然ガスの輸入停止について、タイムテーブルを設けるよう迫る考えです。一方、フランスのマクロン大統領は、石炭や石油での制裁には賛成としながらも、天然ガスについては言及していません。最も難しい対応を迫られているのが、天然ガスの半分近くをロシアに依存するドイツです。
ドイツ・リンドナー財務相:「現時点で天然ガスの輸入を止めることはできない。時間が必要だ。当面は石油・石炭とガスで対応を区別せざるを得ない」

ウクライナ政府は、こうした姿勢を厳しく批判します。
ウクライナ・クレバ外相:「ブチャやマリウポリなどの惨劇にG7やEUによる厳しい制裁で応じるべき。これまでの支援には感謝するが、西側諸国との化石燃料の貿易は、いまもロシアの軍事資金になっている」

ポーランドも、名指しで批判しました。
ポーランド・モラヴィエツキ首相:「マクロン大統領はプーチンと何回交渉したのか。成果はあったのか。犯罪者は話し合いや交渉すべき相手ではない。戦うべきだ。ヒトラーやスターリンやポル・ポトと交渉するのか。ショルツ首相、あなたが聞くべきは、さらなる行動を阻止する企業や富豪の声ではない。無実の女性や子ども、殺された人々の声だ」

一方、中国は、ロシア側の主張を流し、現地の凄惨な状況については伝えていません。
中国中央テレビ:「ラブロフ外相は、ウクライナと西側諸国がさまざまな手段で偽情報を流し、これらの挑発は国際平和と安全への脅威だと明言した」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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