1000度を超えるマグマ、噴火とともに起こる“火山雷”。すさまじいエネルギーを噴出する火山は大きな災害を引き起こしてきました。
6年前“前兆なき噴火”で58人が亡くなり、今もなお5人が行方不明。再噴火の可能性は・・・。そして、今年も各地で火山活動が活発化。浅間山や草津白根山など列島中央部の火山が噴火の可能性も。政府は噴火による「降灰シミュレーション」を発表。日本列島の火山活動は今・・・。噴火の可能性に迫ります。
長野と岐阜の県境にある御嶽山、標高3067メートル。あの噴火から6年、噴煙は今も上がり続けています。この日、話を聞くのは名古屋大学の國友孝洋特任准教授。國友氏は2014年の噴火後、御嶽山を研究し続けるスペシャリスト。御嶽山噴火の可能性を頂上で聞きます。
噴火の爪痕、再噴火の可能性。御嶽山の噴火口はいくつもあり、これまで何度も噴火しています。
草薙アナウンサー:「ここが6年前の噴火した場所なんですか?」
國友孝洋特任准教授:「それは違うんですね。ここは一ノ池、二ノ池と言いまして、約3万年前に噴火した噴火口跡です」
この池はエメラルドグリーンが映える御嶽山の名所の一つでした。しかし、6年前の噴火で火山灰が流れ込み、次第に小さくなりました。
草薙アナウンサー:「では、2014年の噴火した時の被害というのはどの辺りですか?」
國友孝洋特任准教授:「ちょうど反対側になるんですね」
噴火口は頂上より下にあるため、ドローンを使って見ることにしました。
國友孝洋特任准教授:「今ちょうど見えてきましたね。何筋か上がっているのが見えますね」
草薙アナウンサー:「2014年の時の噴火の場所っていうことですよね」
國友孝洋特任准教授:「そういうことです。結構出ていますよね」
草薙アナウンサー:「頂上からだとどれくらいの距離ですか?」
國友孝洋特任准教授:「大体500メートルくらいですね」
草薙アナウンサー:「結構近くで噴煙が出ているんですね」
2014年、この場所から噴火、わずか1分後、時速300キロを超える噴石が飛んできたのです。ほとんどの人が噴石による「損傷死」でした。
草薙アナウンサー:「噴煙が出ている状態ということは、火山活動している?」
國友孝洋特任准教授:「6年経っているので、年々温度も下がり、勢いも弱まってはいますけど、まだまだ勢いよく出ているので、注意は必要」
草薙アナウンサー:「注意が必要というのは、危険性が決してゼロではない」
國友孝洋特任准教授:「そういうことですね」
つまり、御嶽山は今も前兆なく噴火する可能性があるのです。
列島中央の火山群も危険。ここ数年、相次ぐ火山噴火。噴火は全国に及んでいますが、最近気になる場所が・・・。
草薙アナウンサー:「こちらに地図を用意しました。まず、ここが我々のいる御嶽山。赤色になっているのは何を表しているのでしょう?」
國友孝洋特任准教授:「これはこの地域の活火山を示しているのが赤色の部分ですね」
草薙アナウンサー:「最近の活火山の状況、様子というのを先生はどう見ていますか?」
國友孝洋特任准教授:「毎年のように水蒸気噴火が起こっているんですね。おととしは草津白根山の本白根山がいきなり噴火しました。それから去年は浅間山」
2018年、草津白根山は想定外の噴火口から突然、噴火。スキー客などが巻き込まれ、1人が亡くなりました。草津白根山に近い浅間山も4年ぶりに噴火しました。
國友孝洋特任准教授:「明確な前兆がないまま噴火したんですね。噴火警戒レベルが1でも噴火するんだというようなことが立て続けに起こったということですね」
現在、草津白根山、浅間山ともに噴火警戒レベルは2となっています。今も火山性地震や山の膨張が確認され、噴火の可能性は消えません。どの火山がいつ噴火してもおかしくありません。しかしなぜ、御嶽山の周辺には活火山が密集しているのでしょうか。
草薙アナウンサー:「こちらのフリップですけど、三角のものがすべて活火山ですか?」
國友孝洋特任准教授:「そうですね」
草薙アナウンサー:「1本の線のように連なっているように見えるんですけど」
國友孝洋特任准教授:「これを“火山フロント”と呼んでいて、実はプレートと非常に深い関係があるんですね」
この太平洋プレートが日本海溝に沈み込み、地下深くで火山の源が作られているというのです。断面で見ると、火山が密集している理由がより分かります。
國友孝洋特任准教授:「日本列島の下にはマントルという物質があります。部分的に溶けると・・・マグマができるということです」
つまり、深さ100キロを境に圧力や熱でマントルが溶け、マグマができます。マグマは岩石より軽いため上昇し、地上近くにマグマだまりができます。これだけではマグマ噴出はありませんが、地震などで上部の岩石に亀裂が入ると圧力が下がり、炭酸飲料のふたを開けた時のような形でマグマが噴き出すのです。このように日本の地下深くからマグマが上昇し続けるため、列島に火山が密集するのです。そして、噴火の可能性は、あの日本一の名峰「富士」にも及んでいます。
日本一の山、富士山。周辺の山々が噴火するなか、長年沈黙を続けています。火山研究の第一人者、京都大学の鎌田浩毅教授は警鐘を鳴らし続けています。
坪井アナウンサー:「富士山噴火の可能性は?」
鎌田浩毅教授:「300年前に噴火して以来、マグマが満杯になっている。いつ噴火してもおかしくない状況がずっと続いている。これが火口なんですね。江戸時代に大噴火した火口で宝永火口っていいます。
・・・記事の続き、その他のニュースはコチラから!
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
powered by Auto Youtube Summarize