北朝鮮 新型ICBM実験映像を公開 アメリカ全土を射程か

北朝鮮は25日、新型のICBM(大陸間弾道ミサイル)だとする発射映像を公開。

アメリカ全土を射程に収めるともみられ、警戒感がよりいっそう強まっている。

勇壮なBGMに、映画さながらの手の込んだ編集。

北朝鮮は25日、新型ICBM「火星17」型の試験発射に成功したと発表した。

朝鮮中央テレビが放送した発射の様子とされる映像。
およそ12分間に及ぶ映像には、現場に立ち会ったサングラス姿の金正恩(キム・ジョンウン)総書記の姿も。

発射の瞬間は複数のカメラで撮影され、金総書記がミサイルを確認する姿や兵士らと喜びを分かち合う様子が映し出された。

発射が初めて公表された、「火星17」型。

北朝鮮は最高高度6,248.5kmに達し、およそ67分間で1,090km飛行、日本海上の予定していた水域に正確に着弾したと主張している。

24日、日本の排他的経済水域の内側に落下したものとみられる。

岸防衛相は、通常よりも高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射されていることから、通常の弾道で計算した場合、1万5,000km以上飛行でき、アメリカ全土を射程に収めるとし、危機感をあらわにした。

岸防衛相「これまでの一連の発射とは次元の異なる、わが国、地域、および国際社会の平和と安定に対する深刻な脅威であります」

一方、韓国軍関係者などは、発射されたのは「火星17」型ではなく飛行距離が短い「火星15」型で、弾頭の重量を減らすことで飛行距離を伸ばした可能性を指摘している。

北朝鮮では4月15日、金総書記の祖父・金日成(キム・イルソン)主席の生誕110年など重要な節目を控えていて、ICBM級のミサイル発射をさらに強行する懸念もある。

このニュースについて、フジテレビ・風間晋解説委員に話を聞く。

内田嶺衣奈アナウンサー「ワシントン、そしてニューヨークも射程に入るということですが、風間さんはどうみていますか」

風間解説委員「岸防衛相のこれまでとは次元の異なる深刻な脅威という発言の通りなんですね。アメリカも日本も、見て見ぬふりはもう続けられません。金総書記は日米韓の最大限の制裁と圧力をはねのけて、新型ICBMを手にしたことで、アメリカなどに対して強い立場に立てるという自信も深めているに違いありません。映画のトレーラー風の演技・演出が入った映像は、北朝鮮がこの発射成功をいかに待ち望んでいて、誇らしく思っているかを示しています」

内田嶺衣奈アナウンサー「こうした中、北朝鮮は今後、核実験を再開してくるんでしょうか」

風間解説委員「ICBMは核弾頭があってこそです。核実験やICBMの発射実験は中国、ロシアに配慮して、当面行わないのではという見方もされていましたが、楽観的すぎました。北朝鮮は今後、日本列島を飛び越える軌道でのICBM発射や、核実験をも行う可能性が予想されます。そのときは一段と深刻な脅威への日米の対応が問われることになります」

内田嶺衣奈アナウンサー「ウクライナ情勢の先行きが見通せない中での北朝鮮のこうした動き、国際社会のよりいっそうの連携が求められています」

FNNプライムオンライン
https://www.fnn.jp/

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