ロシア艦艇が津軽海峡通過 専門家「人員・食料・弾薬を輸送」

ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、ロシア海軍の艦艇が、兵士や戦車を載せて津軽海峡を通過した可能性が出てきました。

艦艇の甲板にずらっと並ぶトラックのような車両。これは、ロシア海軍の「アリゲーターIV級」戦車揚陸艦。兵士や戦車などを輸送し上陸させるために用いられます。

防衛省は、これらロシア海軍の戦車揚陸艦あわせて4隻が、今月15日から16日にかけて、津軽海峡を西に進み、日本海に向けて航行したと明らかにしました。

津軽海峡は「国際海峡」のため、軍用を含めて外国の船舶の自由な航行が認められていますが、いったい、何を運んでいたのでしょうか。

海上自衛隊元海将 伊藤俊幸さん
「明らかに軍用トラック。人員だとか食料、あるいは弾薬ですよね、こういったものをトラックに積んで運ぶ」

なぜ軍用のトラックを運んでいたのか。政府は異例の見解を発表しました。

松野博一官房長官
「今般のロシアによるウクライナ侵略に際し、ロシア軍は全土から兵力を動員させてきているところ。今般確認した戦車揚陸艦の用途を踏まえると、ウクライナ方面に動員される兵員・戦闘車両等を輸送している可能性があると考えております」

揚陸艦に乗っていた兵士や車両が、ウクライナの戦闘に向かう可能性があるというのです。

海上自衛隊元海将 伊藤俊幸さん
「(軍用トラックは)今鉄道でおそらくウクライナ正面に移動中だと思います。(ロシアは)長期戦になると思ってなかったので、燃料も言われてますし、食料・弾薬ですね、これ全部足りないということなので、それを至急送るためにトラック部隊が必要だということになるんだと思います」

しかし、なぜ、あえて津軽海峡を通過する必要があったのでしょうか。

海上自衛隊元海将 伊藤俊幸さん
「今回は最短距離ですよ。津軽海峡を抜けていくとまさにウラジオストクに着くわけですよ。ここから鉄道で運ぶんですから」

伊藤氏は日本に対する示威行動ではないと話しますが、ある政府関係者は「ロシアのことだから何をするか分からない」と警戒感を示しています。

政府は、ロシア軍の動向について、引き続き情報収集、警戒監視を行うとしています。
(18日17:51)

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