「中学校指定ジャージ ダサくないですか?」市議会でも議論 卒業後はパジャマ 耐久性に高評価も (21/12/06 16:23)

中学生が学校で着るジャージ。「高い、ダサい」という声もある中で、今、名古屋市立の中学校のジャージを自由に選べるようにしようという動きがでてきています。

 名古屋市南区に住む女性。カバンから取り出したのは、中学校に通う息子さんのジャージです。

 「デザインがユニセックスで男女どちらでも着られる。お姉ちゃんから、弟というおさがりの使い回しもできるので、その辺は助かっています」

 値段は、上下合わせて8000円ほどだったと言います。耐久性や使いやすさは評価しますが…

「ここまでシンプルだったら、もうちょっと安くできないのかなっていうのは思ったりしますね」

独特の色とデザイン 「イモジャー」の呼び名も

 実際に使っている、中学生からは?

 「過ごしやすいので、ジャージで学校に行くことが多いです。(デザインも)シンプルでいいと思います」(中学2年の男子生徒)

 学校生活をおくるうえで、思い出深いジャージ。かつては独特のデザインから「ダサい」「イモジャー」と呼ばれた地域もありました。

 街の人に聞いてみると?

 「上はグレーで下は紫の古臭い感じだった。嫌まではいかないけど、仕方なく着ていた」(20代男性)

 「中学校と高校の時は緑色で、ちょっとダサくて嫌だった。他校は紺色とかだったけれど、私の学校だけ緑色ですっごい嫌だなって思っていた。他校の子からはミドリムシっていじられた」(20代女性)

 「色が派手な青だったのであまり着たくなかった。自分の名前が刺繍されていたから着回しもできなかったし」(20代女性)

 「何せみんな同じなので、そこを少しでも“可愛く”見せるとか。すその曲げ方も分厚く曲げずに、細目にくるくるっと曲げるのが自分の中でこだわりだった」(50代女性)

ジャージ自由化の議論はじまる

 実は11月の名古屋市議会では、こんなやりとりが。

 「中学生が体育や部活で着ているジャージ。あれってダサくないですか? 生徒や保護者の声も取り入れながら、保護者にとって経済的に負担が軽く、生徒が着たいと思えるデザインのジャージを提供できないだろうかと思います」(名古屋民主・橋本浩幹議員)

 「ジャージの選定につきまして、自由化も含めて幅広い議論が進むことを促してまいります」(市教育委員会・鈴木誠二教育長)

 現在は、名古屋市内110の中学校のほとんどでジャージが指定されています。

 市の教育委員会によりますと、12月1日の校長会で学校の判断によっては、指定のジャージについて、自由に決めることも選択肢にいれて議論するよう、話をしたということです。

 一方、中学校側は?

 「自由化をすぐに取り入れたくないということではなくて、保護者や子どもたちの理解を得て、今のものが使われている。うちの学校ではジャージを自由化してくれとか、ジャージの不具合が多いから変えてくれという声は今のところ聞いていないものですから」(前津中学校・藤本一人校長)

 自由化には生徒や保護者の同意が不可欠ということで、この中学校ではジャージを自由化する予定はないといいます。

 「伸縮性があって速乾性もある、耐久性もあるジャージを使っていますので、現状は特に(今のままでも)問題はないかと。校外に行って清掃をするときはジャージで汚れてもいいようにと言っています」(藤本一人 校長)

 学校外での活動の際には学校の顔ともなる指定のジャージ。自由化に向けては、まだまだ議論が必要そうです。

学生衣料品を扱う店では

 中村区にある「学生衣料イナガキ」。付近の7つの中学校のジャージを扱っています。今回の、市の動きについても聞いてみました。

 「我々としては困るか困らないかで言ったら若干困るが、世の中の時代に合わせていくのが当たり前なのかな。多様性の世の中なので自由化というのも一理あると思います」(学生衣料イナガキ・佐藤信介社長)

 名古屋市の中学校では、10年ほどのサイクルでジャージのリニューアルが行われています。

 自由化が提案される一方、最近の指定ジャージにも魅力はあります。

 「最新のものは切り返しがたくさん入ったり、学校・生徒の思いがこもったマークなども入っているので、けっこう皆さん愛着を持って着ているジャージもあります。例えば、黄金中学校は、“黄金”中学校だけあってキラキラしたファスナーになっている。防風性・耐久性・堅牢性はとにかく強い。長く使える。(私も)パジャマでいまだに着ていますし」

 また、街の人からはこんな声もありました。

 「(ジャージの自由化は)個性というかパーソナリティーが出るのでうらやましいです」(20代女性)
 「(自由化で)差が出るのは、シビアな世代なんでどうなのかなと思う。好きなジャージを買える家庭とそうじゃない家庭があると思う」(20代男性)

 名古屋市内の110の中学校のジャージのデザインは、ほとんどが指定になっていますが、これを各学校の判断で、「自由に決めることも選択肢に入れていこう」というのが名古屋市の方針です。

 これについて学校側の考えはどうなのか、名古屋市教育委員会に聞いたところ、「校則との兼ね合い」や「保護者・生徒の意見」などもあり、「完全自由化」というのは、難しいのでは、という意見があるということです。

(12月6日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

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