ロシアと3日連続となる停戦協議に臨むウクライナ代表団は交渉の難航を認めながらも「妥協の余地はある」と指摘しました。
ロシアとウクライナのオンライン形式による4回目の停戦協議は16日にも行われます。3日連続となる話し合いは難航しているのでしょうか、それとも何らかの光明はあるのでしょうか。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「(協議は)簡単ではない。だがすべての戦争は合意によって終結するので重要だ。協議は続く。そして交渉中の立場はより現実的なものになっていると報告を受けている。だがウクライナのためになる決定を出すには、まだ時間が必要だ」
実際の協議にあたっているポドリャク大統領府顧問は「根本的な不一致がある」と交渉の難航を認めながらも「妥協の余地もある」としています。
交渉の間もロシア軍の攻撃はやみません。攻撃を受けたのはキエフにある兵器工場。しかし、周囲も激しく損傷しました。
住民:「ロシアはファシストがいるから特別軍事作戦を行っていると言っているが、どこにファシストがいるんだ?」
ロシア軍は集合住宅に対しても連日、砲撃を続けています。民間人の暮らす集合住宅です。
消防隊員:「すごく大変だ。きのう1カ所消火をし、きょうは別のところだ。人々が死んでいる。最悪なのは子どもが死んでいることだ。彼らは十分に人生を生きずにこれを目撃している」
ジャーナリストの死亡も伝えられました。
キャスター:「悲報です。FOXニュースのカメラマン、ピエール・ザクルゼフスキー氏がウクライナで死亡しました」
アメリカのFOXニュースによりますと、カメラマンのピエール・ザクルゼフスキーさんは14日、キエフ近郊で銃撃を受けたといいます。
取材に協力していたウクライナ人ジャーナリストのオレクサンドラ・クブシノワさんも死亡しました。
キエフ、クリチコ市長:「我々は自分の街を守る。ここは我々の家だ。ここを去る気はない。我々の子どもたち、家族、建物、街、ウクライナの未来を守る」
首都への攻撃が激しさを増すなか、キエフ市のクリチコ市長は15日午後8時、日本時間の16日午前3時から35時間の外出禁止令を出しました。
キエフ、クリチコ市長:「特別許可証のない人は外出できない。外出は避難所に行くときだけ可能だ」
16日の午前7時半ごろのキエフの様子です。出歩く人はなく、街は静まり返っています。
ただ、空を見るとロシア軍の攻撃による煙が立ち上っています。
15日、ロシア国防省は南部ヘルソン州を制圧したと発表しました。
ロシア、国防省報道官:「ロシア軍はヘルソン州全域を制圧した」
事実であれば、州全域の制圧は初めてです。
一方、衛星写真はヘルソンの空港に駐機するロシア軍のヘリコプターをウクライナ軍が破壊した様子を捉えていました。
戦火が強まるなか、ポーランド、チェコ、スロベニア、3カ国の首相がキエフを訪れ、ゼレンスキー大統領と会談しました。
ポーランド、モラウィエツキ首相:「決して孤立はさせない。我々は共にいる。ウクライナが自分たちの家、自由、安全のためだけでなく、みんなのためにも戦っていることを知っているからだ」
スロベニア、ヤンシャ首相:「ヨーロッパ中でウクライナの人々ほどヨーロッパの価値観のために戦っている国はない」
戦時下での異例の訪問は、EU(ヨーロッパ連合)を代表して直接、支援を表明するためです。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「このような友人、国、隣人、パートナーがいれば、我々は打ち勝つことができる」
一方、ロシア。1996年に加盟したヨーロッパ評議会を15日、脱退しました。ロシアは評議会加盟のため死刑を停止していましたが、脱退で再開する可能性があります。
また、ヨーロッパ人権条約からも離脱することになり、ロシア国民はヨーロッパ人権裁判所に被害を訴えることができなくなります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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